第37話 またゴブリンが増えてきたらしい

最近、またこの村の近くに

ゴブリンが出始めてきているらしい。



かなり前に、村を襲撃しにきたのを

フェル達に倒してもらったのでおとなしかったのだが、

また増えてきたようだ。



ケガ人が出てからでは襲い。

早めに対処する必要がありそうだった。



村の皆で話あった所、

戦う専門の人をつくり、

彼らに村の防衛を任せたら

どうかという提案があった。



いわゆる衛兵さんを作ろうということだ。



正直あまり戦いとかそういう関連の

ものは好きではないのだが、危険な

相手がいる以上、きれい事だけいっては

いられない。



そのため村で力のある3人を、

村を守る衛兵さんになってもらった。



装備は町で購入してきたもの

だったり村で作った物をサラさんに

強化してもらった特別品だ。



これならば軽くて動きやすいけれど、

ゴブリンの使う矢や斬撃も十分防いでくれる

だろう。



武器は槍と短刀。



こちらは鉄製で、魔法での強化

もされているため、猫人族の身体

能力も合わされば太い木すらも貫通できる。



前とくらべれば装備も食料事情も大幅に

改善している。



もう彼らだけでもほとんどの

ゴブリン達には負けないだろう。



彼らの主な仕事は警備と戦闘だ。

だから多くの時間を巡回と訓練に

費やしてもらう。



これでだいぶ安心できる。



ただ、労働力が3人も奪われるのは痛かった。

ただでさえ人手不足なのに。



でもフェルや僕達が留守にしている

可能性もあるので衛兵さんは絶対に必要だ。



世知辛いなと思いました。



そして衛兵さん達も大変だ。

たった3人で村を24時間守らなければいけない。



どこから来るか分からないゴブリン達

に対してはあまりにも非効率なやり方だ。



う~む。



これは何か対策した方がよさそうだ。



少ない人材を効率的に運用できる仕組みが。

できれば敵の位置だけでも早めに分かって、

それを伝えられるモノでもあればいいのだけど。



電話とか、監視カメラみたいなものが欲しいかな。



エーソンさんに相談してみたが、

魔道具で理論的には可能だけれど、

今は少し難しいとのことだった。




・・・そっか。



まだ厳しいか。

確かに開発環境はまだ整って

いないからね。



能力を使わずに解決

できるならそれにこしたことはない。



特に魔道具はいいものが作れれば

町で売ることもできる。



そうすれば村人の収入源に

なって一番良かったのだけど、

そう上手くはいかないか。



でも落ち込む必要はない。



お約束の召喚書を呼び出す。



このチート能力は

こういう問題を解決するために

存在しているのだからね。



与えられた役割を果たすことが、

悪いわけがないだろう。



そう思いながら、いい子がいないか探しながらページを

めくっていくと、ある所で目がとまった。



探知鳥?

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