第35話 お世話係のシルキーさん

シルキー。



図鑑の説明によれば、

古い家に現れる女性の幽霊、精霊で、

住み着いた家の家事を代わりにやってくれる

らしい。



うん。



すごく今足りてないタイプの子だね。



少しエーソンさんの生活や研究開発のお手伝いを

してくれる子を探していたんだ。



よし、この子に決めた。



ページを開いて、

来い!と強く念じる。



お!来てくれた!



寡黙なメイドさんって感じの子だ。



あ!本当に足がない!

幽霊みたいに浮いてるよ。



メイドの幽霊さんだ。



え?幽霊じゃなくて

精霊といってほしい?



ごめんごめん。

じゃあメイドの精霊さん、

これからよろしくね。



さっそくなんだけど、

あのエーソンって子の

小屋の整理をお願いしたいんだ。



そうお願いするとシルキーさんは任せて

と腕を組みながら、エーソンさんの

小屋へと入っていく。



スーっと壁を通り抜けて。



・・・幽霊では?



え?精霊?



ごめんって。

ちょっと思っちゃっただけんだって。

ごめんなさい。



だから目の前で顔を近づけて

主張してこないで。



頬膨らませてる。

かわいい。



って違う違う。



ごめんってば。

あ、戻ってくれた。



はい、次から気をつけます。



で、小屋の中では早速シルキーさんがお掃除やら

荷物の整理整頓などをし始めてくれていた。



どうやら通り抜けるかどうかは任意で決められるらしい。

だから箒や荷物も平気でもって運べるようだ。



・・・エーソンさん、またゴハン食べてないし。



あれ?シルキーさんその事に気づいたら

ゴハンをもってエーソンさんに近づいていったぞ?



ああ!食べさせてくれてる!



お?今度は持ち上げられて、

あ、どこかに連れて行かれた。



追ってみる。



「お風呂、嫌い」



・・・お風呂で丸洗いされとる。

エーソンさんのかすかな抵抗が聞こえてくるから

間違いない。



うん。



女性同士だから

僕がやっていたときよりいいのかも。

部屋の片付けも上手いのだ。

僕より綺麗に洗ってもらえるさ。



結構丸洗いするの大変だったから

助かります。



髪も長いから本当に洗って乾かすのが

大変だったたんだよなあ。



・・・ぺっトでは?



まあ、いいか。

さて、じゃあエーソンさんはシルキーさんにお任せして、

その間に僕は小屋の掃除の続きをしてしまおう。



そしてシルキーさんのおかげで空いた時間を使って

また村の発展に貢献してくとしようか。



それに最近ラナちゃんとも、サラさんとも、

フェル達みんなともあまり話せていなかったから、

じっくりお話もしよう。



さあ、これからもっと忙しくなるぞ。

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