第33話 魔道具ってすばらしい!でも助けて

魔道具というものを説明すると、

魔法で動く家電だと思ってもらえればいい。



魔力を消費する代わりに、

ある特定の作業を代わりにやってくれるのだ。



仕組みはよく分からないけれど、

サラさんが言うには複数の魔法式と

魔石を組み合わせて作ってあるとのことだ。



うん。わからない。



でもサラさんが普通に驚いていたから、

すごい技術だということは理解できた。



しかも優れているのはそれだけじゃない。



事前に魔力をチャージしておけば、

使う人は魔力を消費せずに使うことが出来てしまうのだ。



要するに、魔道具さえ出来てしまえば、

村の誰でもその恩恵を得ることが出来るというわけだ。



これなら今までサラさんに集中していた

負担が大きく減ることになる。



本当にエーソンさんの才能は素晴らしいと思う。

天才は変わっている人が多いとは聞いたことがあるが、

まさにエーソンさんはそのタイプだろう。



ちなみに最初にエーソンさんが作ってくれた魔道具は

電球だった。天井につるしておいてボタンを押すと

明かりが付くのだ。



今まで暗闇は火をおこして明るくするしかなかった。



でもこんの電球のおかげで夜も快適に

過ごせるようになる。



文明の光が、ついにこの村まできたのだ。



うん。すごく快適になる未来が見えてきたきがする。



しかもエーソンさん曰く、これは魔力量の関係で

町では実用化できていない製品なのだとか。



本当にこの村に来てもらってよかったと思った。

この村でなら、彼女の才能を存分に生かしてあげることができる。



そしてそのメリットも存分に享受できるのだ。



うん、だから、だからね

エーソンさん。感謝はしているんだ。



でもね、服は、着てもらえませんか?



のんびり一日数個だけしか魔道具を作って

もらえないのはいいんです。



材料費が高いのも全然問題ありません。



でも、服だけは、着てください。



寒くないよじゃありません。

面倒くさいでもありません。



シールが貼ってあってもだめです。



無理矢理でも着させるからな。



ああ!芋虫みたいに移動しないで、

ああ!落ちたモノを食べないで。



放っておくと、すごこれだ。

すぐに死んでしまいそうで怖くなる。



あれ?やっぱりペットなのでは?

最近、お世話をしていると

何度もそのような疑念が頭に浮かぶようになった。



まあ、この際、細かいことはいいか。

これからよろしくね、エーソンさん。



「タクマ、息すうの面倒くさい。

代わりに吸ってくれ」



なんだそれ。



・・・どうしろというのだ。

やっぱり助けて、みんな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る