第27話 ワームくん、温泉を掘り当てる!

お昼、畑作業をしていると

急にワームくんから助けて!

という救援要請が入って来た。



こんなことは初めてなので

慌ててフェルとスラをつれて向かう。



向かったのは村から少し離れた場所だ。



するとそこでワームくんが地面から吹き出る

水を見て、呆然としていた。



うん。なにこれ。



どうやら鉱石を掘っていたら吹き出てきてしまったらしい。

とりあえずワームくんにケガはなさそうだった。

よかった。



で、次の問題はこの水だ。

めちゃくちゃあふれ出てきてる。



アッツ!



さわってみたらものすごく熱かった。

それになんか少しヘンな匂いもするような気が・・・



うん?



でも嗅いだことがあるぞ?



・・・あれ?

これ、温泉じゃね?



とりあえずゴーレムくんにお願いして、

地面を掘り、水がたまるようにする。



そしてゆっくりとさわってみる。

うん。熱い。



やっぱり温泉だ。



また想定外なものを手に入れてしまった。



でもこのまま埋めてしまうのももったい。

活用するか。



一応サラさんにお願いして危険がないか調べてもらったところ

全くもって害はないとのことだった。



それどころか良質な魔力が溶け込んでいて、

肩こり、疲労改善、美肌効果etcなどという

効果があるとのことだ。



なんてこったい。



これはすぐに温泉をつくるしかないと

いうことになり畑の拡張は少しお休みして、

なぜか村総出で温泉づくりが始まるのであった。



とりあえず、石を加工して浴場を整備する。

またそのままだと熱すぎるので、浴場に引くまでの

間に水を少し加えて温度を調整する。



すると、あっというまに温泉のできあがりだ。



泳げるぐらい大きなものができちゃった。

すげえや。



村中、大騒ぎだ。



ただでさえお風呂は大人気だったのに、

これではもっと人気になってしまうだろう。



温泉は男女で分けているし、とても広いので

今までのように順番を待つ必要はない。



みんなが一斉に入ってしまえる。

だから今日は記念として、みんなで

一気にわいわいガヤガヤ温泉につかる。



ちなみにフェル、スライム3兄弟、トレントさん、ゴーレムくん、

ワームくんも一緒だ。



温泉が大きいから一緒に入る可能だし、

魔力が含まれているからなのか、みんなが興味を

しめし、気持ち良さそうに入っている。



・・・ゴーレムくん、溶けないか心配だけど。

まあ、本人が警戒しないで入っているのだから大丈夫なのだろう。



一人風呂でのんびりするのもいいけれど、

こうやって楽しく入るのもいいなと思った。



前に作ったお風呂は、個人でのんびり入りたい

人用にすればぜんぜん問題はない。



しかもここの温泉を運んでくればあっという間に

一人温泉のできあがりだ。



こっちもこっちで根強い人気が出るだろう。



温泉上がり、皆で川で冷やしておいたジュースを

一気に飲み干した。



前に飲んだ時以上に、おいしい気がした。

予想外の出来事ではあったが、こういうのも

悪くないと思った。

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