第2話 猫耳少女との出会い

フェンリルは召喚されるとすぐに僕の

匂いを嗅ぎ、うれしそうにバフ!と鳴いた。



どうやらもうなついてくれているらしい。



大きくてモフモフしていて、

かっこよくて可愛い子だ。



よしよしと顔をなでてやる。



うわ!顔を舐めてきた!



うはは!元気な子だ。



そしてだいたい召喚術の

ことがわかった。



何か困難があったらこうやって

モンスターを召喚して解決していけばいいんだ。



これからよろしくな、フェンリル。



名前は・・・フェルだな。



「よろしく、フェル」



「バフ!」



よし、じゃあ次は現地の人と合流しよう。



さすがに1人で、ないも知らない世界で

過ごすのは大変だからね。



でも、どうやってさがそうか?



あ!そういえばフェンリルは嗅覚に優れている

って召喚書に書いてあったな。



フェルにお願いすれば、人のいるところにまで

つれて行ってくれるかも。



僕がそう考えるとフェルはこちらを見つめながら

バフ!と鳴く。



わかった、と言うことなのだろうか?



そして乗って、と言うかのようにフェルはしゃがんだ。



確かに距離も分からないのに歩くのも大変だ。

それにフェルの方が体力も速度もあるのだろう。



甘えて増えるの背中に乗らせてもらう。



フェルは僕が背中に乗ったのを確認すると、

静かに立ち上がり、地面で鼻をフンフン!と

ならしながら歩き始める。



そしてしばらくフェルの背中に乗りながら

移動していると、本当に村が見えてきた。



すごいぞ、フェル!



思わずフェルをモフモフとなでる。

フェルは嬉しそうにうなった。



これだとオオカミじゃなくてワンコだ。



村に近づいてくる。



・・・見えてきた村の家屋は

お世辞にも立派とは言えなかった。



草を束ねたモノで作った、少し傾いた

家屋が並んでいるのだ。



その家屋達を枝で作った柵で囲っている。



あまり文明が進んでいないのだろうか?



村をみてそんな事を考えていると、



「助けて!」



という悲鳴が聞こえてきた。



声の方をみると少女がブリンたちに追いかけれていた。

手にカゴのようなものを持っている。



少女よりもゴブリンたちの方が速い。



あ!転んだ!



このままでは捕まってしまう。



助けなきゃ。



そう思うとフェルがバフ!と鳴いて走り出す。

そして少女とゴブリンたちの間に入って、



「ガウガウガウ!」



と威嚇をした。



「ギャギャギャ!!!」



そうするとゴブリンたちは驚き、

飛びはねながら逃げて行くのであった。



おお、やっぱりフェルは言葉にしなくとも

僕の考えを読み取って行動してくれるらしい。



ありがとうね、フェル。



バフ!



フェルは自慢げに顔を上げ、鳴いた。

ふふ、かっこいいよ。




「え、あ、助けて、くれたの?」



僕とフェルが話していると、

少女が分けもわからないという顔で

こちらを見ながら、言った。



改めて顔をよく見てみると、

頭に猫のような耳とお尻には

尻尾があった。



第一村人発見だ。

そして、どうやらこの村は、

普通の人間のものではないらしかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る