第11話 ただの的#1

『ヒューン!』と広場に生き生きしている風が吹く。


『久我さん...』


ずっと今までつけていた帽子を外して、地べたで横になっていた。

脱力して、ずっと上を見ている。ただボーっとずっと何かを見ている。

いつもとは違った様子だった。


『....ボウズ、なんでオレら生きてんだろうな?ただ生きているだけでいいのか?こうやって今の自分が横になっていて何か申し訳ないな』


僕は久我さんに近づき、地べたで横になった。


『こんな景色が見えてるんですね...』

『綺麗だろ、こんな景色今日で最後かもしれないからな。いつもの様に笑って遊んで 

 ガキの時もこうやって黄昏ながら終わっていたさ。気づいた時は大人になってから 

 だな』

『.......』


僕は久我さんの心境を察した。


『また今日の夜に出発だ。準備しておけよ。またな。』

ーガチャン!ー


『......この目は、慣れないな...ちょっとだけまた寝るか...』


ー 、、、、、........パチ ー





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