第10話 エクスタシー覚醒

なんで僕またここにいるんだろう。

この感覚昔にあったなー


半分寝ていてみたいに心地よくて。けど生きている感覚はある。

なんか見えるんだよな。なんか現実にはない単語もわからないもの。

すげー辺な気分。はは笑いが込み上げてくる。人生楽しいなー。


『久々だね。あの時から随分変わって。昔の自分を捨てにきたよね?』


うん、確かに捨てたね。嫌な自分。川に投げた。


『あの時、知恵と欲をあげたよね。可哀想だったから』


うん、もらった。そこからいい自分になったね。楽しくなったね。


『じゃあ今日は何がいらない?』


うーん、全部いるんだけどね。特に渡せれる物はないかな?


『昔ここら辺に住んでたよね。』


うん、4歳の時。鉄道が開通するから土地がなくなって神戸に言ったね。


『そう、覚えてるよね。改めておかえり。』


ハハ、ありがとう。じゃあ決めた。それあげるよ。


『これでいいの?じゃあ僕からはこれをあげる。新しい神経だよ。あとは

 目と脳。』


ありがとう。


『じゃあ、一緒だね。』


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『カーン...カーン!!』と鈴の音がした。


『.....ゆ、夢か...久我さ、さん、大丈夫ですか...』

『...........ああ、おれは擦り傷で大丈夫さ...お前はまだ眠ってろ。』

『....あれから、何が起きたんですか。』

『...あれから、爆発が起きてオレも爆風で気絶して、名古屋に着いたそうだ。

 停車した時に、駅員がオレらを発見して緊急停止したそうだ。

 だからここは鉄道病院だ。4時間後にまた出発するそうだ。』


『じゃああの子供たちは...?』

『......グッ!.....即死さ!呆気なく奴のオモチャで死んだ!.......ッ!.....』

久我さんは、ズボンを握りしめ頬から涙が落ちる。

『オレだって...あの時に...片方撃っておけば助かったかもしれないのに!!...』


『スタッ!』と久我さんは無言で席を離れた。


『....久我さん......うん?』

横の机に置いてあった、小さな鏡が自分の顔を写した。


『...すごい包帯だ。僕どんなけがをしたんだ...?って...オレの目...黒猫みたいに黄色い....く、黒目じゃない...ど、どうなってんだ。』


『タッタッ!』と誰かの足あとがこちらに近づく。


『やぁ、元気かね?哲夫くん?』足音の正体は先生だった。

『は、はい今のところは大丈夫です』


『ハイ』と新しいメガネをくれた。


『今の君の目は、科学的根拠があって黒猫の目だ。

 大怪我で病院に運ばれた時は、完全な白目で失明かと思ったけど心肺が回復

 したら目がその黒猫の目になったんだよ。まだ君が寝ている間に色々検査をして

 結果が黒猫の目だとわかった。ちなみに前とは少し景色が違うかい?』


『いや、メガネをつけていないからぼやけていると思うんですけど。

 あとはちょっと色が少し分かりにくいですね。白黒に近い感じです。』


『カチャ』と先生が僕にメガネをかけてくれた。


『じゃあこれでどうかな?』

『...色は前と同じ様に見えるようで、いつもと比べて視野が広い...?』

『君は、キメラ状態だ。まだ科学的にわからないが...このメガネをかけていれば

 昔と同じ様に生活できる。じゃあ私はこれで...』

『あ、あの〜!これどうやって作ったんですか?』

『なんかできたんだ。ではまた。』

『えっ!ちょ、』


『タッタッタッ!』と離れて言った。


『...不思議な人だな。まぁいいか。』


ふと外を見てみた。

外には僕らが渡ってきた路線がある。

何本もある路線複雑な路線、ホームも見えた。


『,,,楽しそうだな。あの子供達。』


ホームからお母さんらしき人が子供と手を繋いで元気に喜んでいる。


『...僕もあんな頃があったのか...って、久我さんどこに行ったんだろう。』


ベットから体を起こし、ゲタを履く。

扉のない病室から出て看護師さんに話しかける。


『すみません、ハット帽子をつけたハイカラな男性な人見かけませんでしたか?』

『あー、あの方なら屋上に行かれましたよ。あの階段を上ればすぐですよ』

『あれですね、分かりました。ありがとうござます!』


そのまま階段を駆け上がり、屋上のドアを開け。

広場が見えた。







 







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