メグの物語4
次の課程へ進むための最終審査は、前回やったシミュレーションと全く同じ内容で、あたしは完璧だったと思う。こんなに簡単に合格してしまっていいのだろうかと、思うくらいに。
そして、リサが戻ってきた。担当教官が直前で変更になり、動揺していたリサが、何も言わないうちから結果がわかってしまった。あたしの顔を見ると、開いたままの目から、ポロポロッと涙がこぼれた。
「私、もう自信がない…」
教官の講評をみると、なかなか厳しかった。
『度胸があり、反応も早い。直感ではなく、理論的な裏付けが必要。的確な判断、冷静な分析力が決定的に不足。要再審査』
「まさか、あきらめるの?」
リサは首をふった。
「あきらめたくはない。くやしいよぉ…」
先の課程に進むあたしとは別れることになるけれど、
「リサ、待ってるから。早く追いついて」
一見ふわっとした彼女はそう見えないけれど、意外と負けず嫌いだ。そのあとのシミュレーション訓練では、なるべくB教官を指名して続けたらしい。あたしはリサのそういうところを尊敬する。
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