グラントの物語2

 3日目にようやく微熱になって、少し軽い食事ができるようになったリサは、

 「もう寝てるの飽きた」

 「ヒマー」

 「アイス食べたい」

 「一緒にビデオゲームしよっ」等々、

 わがままお嬢様と化した。今まで誰も甘える相手がいなかったリサが、僕に甘えている。


 せっかくの休みの予定が気になるらしく、

「ごめんなさい。せっかくのお休みなのに、どこにも行けなくなって。そうだ!今日って、ステフさんと約束があったよね?」

「そうだよ。ここに来てもらうつもりだったけど、外で会うことにしたから。リサはだいぶ良くなったみたいだけど、おとなしく留守番しててね」

「あー、残念。私も会いたかった」

 休みに入って気が抜けて、いつもがんばっているリサは疲れが出たのだろうと思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る