思い出のハンカチ
高坂 美月
第1話
小学5年生の頃に、予防接種を終えてから母が買ってくれたハンカチがある。
それはピンク色でふわふわしたタオルハンカチで、スクーターに乗ったちびまる子ちゃんの刺繍がされていた。
買ってもらって以来、ちびまる子ちゃんのハンカチはずっと私の相棒だったのだ。
友達とトラブルになったときも、体調不良で学校を早退したときも、テストで良い点数がとれたときも、ちびまる子ちゃんのハンカチはいつも私のそばにあった。
それは中学校や高校に進学してからも変わらずだ。なかなか物を捨てられない性格と、好きなキャラクターのハンカチということもあって、いつも持ち歩いている。
大学に進学して、1人暮らしを始めたときもちびまる子ちゃんのハンカチを持っていった。5年以上ずっと使っていたのでボロボロになっており、もう外では使えなくなっている。
それからはふきん代わりに使っていた。繰り返し使い汚れがなかなか落ちなくなると、掃除用の雑巾として役目を果たす。
雑巾としての役目も果たし終わり、ちびまる子ちゃんのハンカチとお別れする時が来た。
私は「今までありがとう」と言い、ちびまる子ちゃんのハンカチを処分したのだ。
思い出のハンカチ 高坂 美月 @a-tmm1209
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