第23話 💚緑部屋 -前-

【合宿八日目】


 今日は緑部屋の2人にフォーカスを当ててみる。


 俵田彩世たわらだいろせ袖山朝妃そでやまあさひ


 俵田が目を覚ますと、袖山が元気に挨拶をする。


「おはようございます!」

「おはよう朝妃ちゃん。今日も朝から元気いっぱいね」

「はい!朝が好きなんです」

「名前にもなっているものね。気持ちのいい朝が迎えられて私も気分がいいわ」

「えへへ」

「今日は何をしようかしらね」


 2人はこの2日間でマイペースに合わせ練習を行なっていた。

 もう打ち解けて、対戦相手ながらも良きパートナーとなった頃だろう。

 袖山が合同練習を提案する。


「他の部屋の人たちは合同練習をしてるみたいですね?私達も混ぜてもらいませんか?」

「そうねえ。良いところが盗めるかもしれないし、賛成よ」

「そうと決まれば行きましょう!」

「急がないで。まずはご飯を食べてからね」

「あっ!そうでした!」



 食事を終えた2人はホールへと向かった。

 俵田はどの部屋と練習をしようか決め兼ねている。


「どこと練習しましょうか?」

「やっぱりETSUエツさんのいるところじゃないですか?」

「でもあそこのお部屋、個人練習が出来てないみたいだし、少し遠慮した方がいいかもしれないわ」

「…あ、確かに。彩世さんよく見てますね!そしたら他のところにしましょう!」

「ええ。そしたら…」

「あ!じゃあ赤部屋の兎架うかちゃんに声かけてみましょう!私、友達なんですよ」

「あら、そうなの?お願いしようかしら」


 赤部屋は百百塚ももづか真喜屋まきやがいる。

 袖山と真喜屋は友人のようで、ここと合同練習をすることに決めた。



「兎架ちゃ〜ん!」

「あ、あさちゃん〜。おはよう、今日も頑張ろなぁ。なんか対戦相手と同じ部屋ってすごい緊張せん?すずちゃんが優しくて一緒にいて楽しいんやけど、もうすぐ戦うことになるって想像したらドキドキしてん。これ恋ちゃうかなぁみたいな」


 相変わらずの真喜屋のロングトークを袖山はのバッサリと切り捨てる。


「兎架ちゃん、今日一緒に練習したいんだけど、どうかな?」

「あ、ええよぉ。鈴ちゃんも喜ぶと思うわ。鈴ちゃんハイパー明るい子やねん朝ちゃんも仲良くなれると思うんよ。一緒に練習出来んの楽しみやわぁ。そうそうそちらのべっぴんさんは同じ部屋の方?初めまして真喜屋兎架まきやうかっていいます〜。呼び捨てでいいんで仲良くしてください〜」

「兎架ちゃん。よろしくね。俵田彩世たわらだいろせです」

「あじゃあいろっちゃんって呼ばせてもらいます〜。いろっちゃんはおっぱい大きくてええなぁ。私も育乳してんけど全然大きくならんくて、何したらええかなぁ」

「胸の大きさで人の良し悪しは決まらないわ。だから気にしないで自分を貫くことが大切だと思うの」

「いろっちゃん良いこと言うなぁ。気にしてんのがバカみたいやわ。よし決めたぁ!私も自分を貫いて絶対DODなってみせるんよぉ」

「ふふ。朝妃ちゃん。兎架ちゃんって変な子ね」

「そうですか?ずっと一緒なのでよくわかんないです!」


 するとそこに百百塚が遅れてやってくる。


「ごめん兎架っち!遅くなった〜…ってあれ?えーっと、緑部屋の方?もしかして合同練習?」

「そうなんよ。一緒にやろーって誘ってくれてん。鈴ちゃんええよな?」

「もちろん!こっちもありがたいよ!よろしく二人とも、ウチは百百塚鈴ももづかすず。鈴って呼んで〜」

「鈴ちゃんよろしくね。私は俵田彩世」《たわらだいろせ》

袖山朝妃そでやまあさひです!よろしくお願いします!」

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