第17話 最終選考メンバー

島仲しまなか悦叶えっか(18)


「島仲悦叶。18歳。僕は現メンバーだったけど、プロデューサーにわがままを言ってこの合宿に参加させていただきました。急遽審査を受けろと言われたので参加していますけれど、ここで残れなければ、僕もDODから姿を消す」


 ライブ中継のコメント欄では様々な意見が飛び交っていた。

 "ETSUエツがいないとDODとは言えない"、"お前なんかいなくても大丈夫"、"正しい判断だ"。



菊月きくづき律伽りっか(18)


「菊月律伽です。最終選考に残る事が出来て、とても嬉しいです!今までの選考も厳しいものが多かったけど、間違いなくこの最終選考が一番厳しいものになると思ってます。挫けず、やり遂げたいと思います。よろしくお願いします!」



袖山そでやま朝妃あさひ(20)


「袖山朝妃です!今まで色んなオーディションを受けましたが、ここまで残れたのは初めてです!アイドルになる最後のチャンスだと思って、頑張ります!」



高戸たかと碧七あおいな(18)

 金髪ボブでギャルっぽい見た目だが、礼儀正しく真面目。

 芯があり、自分の意見が言えるしっかり者。


「高戸碧七です。プロデューサー、河岸さん、松江さん、このような機会をいただきありがとうございます。悦叶さんや、同じく候補生の皆様とは最後の椅子を奪い合うという形にはなりましたが、これがDODの選考である以上私も手を抜きません。残り9日間、宜しくお願いいたします」



俵田たわらだ彩世いろせ(23)


「初めまして〜。俵田彩世っていいます。…えっとぉ、何を言えばいいのかしら?とにかく、応援よろしくお願いします〜」



本明ほんみょうあめ(19)


「ほっ、本明雨と申します!よろひくおねがっ…よろしくお願いいたします…」


 噛んでしまいこの場からすぐ消えたかったのか、早めの自己紹介で終了した。

 コメント欄では好評価。



真喜屋まきや兎架うか(20)


「どうも〜兎架やよ〜。みんなよろしゅーな〜。みんなと仲良くなれたし戦いとうないけど、ここで負けたら何しに来たかわからんしね!ウチも全力でやらしてもらいますー。それにしてもみんな可愛いしダンスもハンパないしすごいよなぁ、誰がDODになってもきっと良いグループになるんやろーなぁって思っ…」


 話が止まらない真喜屋を鮫山さめやまが止める。


「真喜屋」

「あっ!すんませ〜ん!頑張らさせていただきますー、よろしくお願いしますー」



百百塚ももづかすず(18)


「百百塚鈴、18歳、よろしくお願いします!割と言いたいことはみんなに言われちゃったけど、誰にも負けないつもりで頑張りまーす!」



八ツ波やつなみ希野きの(15)


「八ツ波希野、15歳!特技はダンスで、ETSUよりも上手く踊れるよー!」


 カメラがETSUの方を向く。


「…ガキには言わせとけ」


 画面外から八ツ波の騒ぐ声が聞こえる。


 「あー!ETSUウッザ!絶対恥かかせてやるんだから!」


 そんな二人のやり取りにコメント欄は謎に盛り上がっていた。



鎗目やりのめ萌楠もなん(17)


「…鎗目萌楠。よろしく」

 


 全員の自己紹介が済んだ事を確認し、鮫山が仕切る。


「よしじゃあ、予定通り対戦相手を決めるぞ。引きたいやつから引いてくれ」


 候補生が次々にボールを手に取る。

 各々が引き当てたのは…。



 💙菊月律伽 vs 💙本明雨 


 🤎鎗目萌楠 vs 🤎八ツ波希野


 💚俵田彩世 vs 💚袖山朝妃


 🤍高戸碧七 vs 🤍島仲悦叶


 ❤️百百塚鈴 vs ❤️真喜屋兎架



「決まったな。対戦相手に不満があるやつはいるか?」


 もちろんそんな者はいなかった。

 ここに残ったメンバーは誰が相手だろうと勝ってDODに入るつもりだ。


 ETSUは嫌味っぽく八ツ波に言った。


「良かったね。僕とだったらもう落ちてたよ」

「何言ってんの?ETSUの方が私と当たらなくて安心してるくせに」

「はん」

「あ!鼻で笑った!うっざ!」


 もう見慣れた二人の喧嘩を他所に、鮫山が続ける。


「さて、二週間の合宿。まだ5日しか経ってないわけだ。先程話した通り、9日間お前らにはカメラが付きまとう。気を緩めるなよ。最終日に1vs1だ」


 9日間の練習期間、と聞いたものの、具体的にどう過ごしていいのかは不明瞭だった。

 百百塚は挙手し、質問を投げかけようとするが、想定内の質問だったようだ。


「…はい」

「ああ、わかってる。皆まで言うな。それまでどうするかってことだろ?」

「そうです」


 どんなプランかと蓋を開けてみると…。


「好きに過ごせ」

「「えっ」」


 まさかの自由行動。


「ただ、一週間過ごす部屋を決めさせてもらう。対戦相手と、相部屋だ」

「「相部屋⁉︎」」

「そうだ。練習するもよし、何もしなくてもよし、ただ対戦相手はそれを見てどう動くか。お互いを意識して行動する必要がある」


 対戦相手と常に行動を共にするというなんとも斬新な過ごし方を提案した鮫山。

 波乱の一週間が始まる。

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