第93話 六股男の末路(六股男編)
一〇人くらいの女をナンパするも、一人も振り向くことはなかった。女を満たすことにかけては、パーフェクトの男のどこが気に入らないというんだ。女たちの見る目のなさに、フラストレーションは爆上がりだ。
合法的に性欲を満たすためには、莫大な金を必要とする。アルバイトをしたくらいでは、あっという間に枯れてしまいかねない。
大金を得るために、麻薬の取引を行っている。リスクは高くとも、手っ取り早く金を稼げる手段だ。
麻薬の取引だけでなく、自宅で麻薬の栽培もおこなっている。取引をするよりも、自分で作ったほうが利益率は高い。
麻薬の取引をしていると、扉をどんどんされる音がした。無視をしていると、図太い声が聞こえる。
「○○○○、麻薬取引及び麻薬栽培の件で聞きたいことがある。すぐに扉を開けろ」
麻薬取引及び麻薬栽培は隠密にしていたはず。どういった経路から、警察に特定されてしまったんだ。
刑務所に行けば、〇○○はできなくなる。〇○○に命を懸けている男にとって、とても耐えらえる状況ではなかった。
警察官は扉をぶち破って、家の中に入ろうとしてきている。このままでは逮捕されるので、裏道から逃げることにした。誰にも知られていない、極秘ルートとなっている。
極秘ルートから逃げていると、警察官のでかい声が聞こえた。
「○○○○、どこにいる」
「逃げられたかもしれません。必死に追跡しましょう」
「家の明かりがついていることから、遠くに入っていないはずだ。徹底的に探すんだ」
下手に動くと、警察の捜査の助けになる。極秘ルートで、警察があきらめるのを待つことにした。
「巡査部長、隠しルートを見つけました」
やばい、隠しルートが見つかった。このままでは、両手に手錠をかけられる。
慌てて逃げたため、靴を履いていなかった。かかとからは大量の出血があった。
「いたぞ、○○○○だ。確保しろ」
警察に捕まるくらいなら、命を絶ったほうがまし。俺様は懐に忍ばせておいた、青酸カリで自殺を図った。毒はすぐに効き、あの世に魂を送られた。
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