第100話 千鶴と遊園地に行く約束をする
6時限目の授業が終了し、帰宅部生徒は教室をあとにする。電車、バスの時間に遅れまいと、ダッシュする生徒もちらほら見受けられる。
帰宅の準備をゆったりとしていると、2枚のチケットが机の上に置かれた。
「抽選でたまたま当たったの。よかったら、一緒に遊びに行こうよ」
「いつに遊びに行く予定なの?」
これまでだったら、すぐに断っていた。彼女を作りたい思いが、前向きな気持ちにさせている。
「今週の土曜がいいんだけど・・・・・・」
今週の土曜は空いている。遊びに行こうと思えば、十分に遊びに行ける。
「わかった。遊びに行ってみよう」
千鶴は信じられなかったのか、自身のほっぺたをつねっていた。直接触らずとも、ぷにぷにとしているのは伝わってきた。
「断られると思っていただけに、す、すっごくうれしいよ。あ、ありがとう・・・・・・」
若葉と交際していたとき、本格的に遊ぶ機会はなかった。彼氏でありながら、ぞんざいに扱われていた。
「女の子と本格的に遊ぶのは、初めてなんだ。エスコートの仕方はわからないから、満足させられるかはわからないよ」
「きさく、楽しくやっていこう。ぎこちなさを感じるとつまらないよ」
ありのままをさらけ出して、楽しく過ごしていく。それを実現できれば、最高の幸せを味わうことができそうだ。
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