第101話 千鶴と遊園地にやってきた
千鶴と二人でやってきた遊園地は、土日ということもあって、人数はそれなりにいる。アトラクションに乗り放題は難しいと思われる。
本日の予想最高気温は23℃。2月からはかけはなれた、温かさとなっている。コートを羽織らなくても、問題はなさそうだ。
二人の横を、5歳くらいの子供が通り過ぎる。Tシャツ一枚という、2月ではありえない服装。暑がりの人にとっては、これくらいの格好でいいらしい。
「千鶴さん、今日はよろしく・・・・・・」
「よ、よりょしく・・・・・・」
千鶴はろれつが回らないほど、緊張しているのか。その姿を見て、ちょっとだけかわいいと思えた。
「千鶴さん、緊張を解くことから始めよう」
「あ、ありゅがとう・・・・・・」
千鶴は胸に手を当てて、何度も深呼吸を繰り返す。
「ちょっとだけ、楽になったと思う・・・・・・」
緊張は解けたというものの、体はぶるぶると震えている。彼女の言葉を鵜吞みにするのはNGだ。
「千鶴さん、ゆっくりでいいから・・・・・・」
「ま、ましゃるくん、ありゅがとう・・・・・・」
「アトラクションを利用する前に、ゆっくりと休もうか」
「そ、しょうだね・・・・・・」
周囲を見回すと、すぐそばに座れるベンチを発見した。
「千鶴さん、あそこにいこう」
「しょ、そうだね・・・・・・」
ベンチに向かっていると、4人の女性が先に座られてしまった。
「千鶴さん、別のところを探すか」
「しょ、そうだね・・・・・」
二人は座れる場所を見つけるまでに、30分以上を要することとなった。
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