第77話 高校を一週間連続でずる休み(若葉編)

 授業を受ける気になれず、学校を一週間連続で休んだ。


 高校の授業は任意であり、義務ではなかったはず。サボったとしても、文句をいわれる筋合いはない。


 授業をサボったとしても、出席扱いになればいいのに。単位取得に必要な出席日数を減らすのもあり。すべての高校をオンライン授業にして、自宅から受けられるようにするのもいい。人間関係が腐敗しきった学校に通うのは、未来にとって大きなマイナスをもたらす。


 布団にもぐろうとする前に、ラインが送られてくる。早く眠りたいと思ったこともあり、無視することにした。


 睡眠をとろうとするも、なかなか寝付けなかった。普段はすぐに眠れることが多いのに、どうしちゃったのだろうか。


 若葉のスマホに、着信が入った。相手先を確認すると、勝の父となっていた。お金はよこさないくせに、こんなときだけは電話してくるとは。生存していることが、障壁になっている。


 電話を取ると、感情を押し殺した声が聞こえた。


「お金を使い果たすだけでなく、高校をサボるようになるとは。学校に行かないなら、すぐにやめてもいいぞ」


 いつもはうるさい老害は、今回ばかりは非常に物分かりがよい。いつもからこうであれば、不愉快になる時間を減らせる。


「おとうさま、ありがとうございます。すぐにやめさせていただきます」


「最終確認を取るぞ。学校を退学する手続きをしてもいいんだな」


「はい。学校なんか行きたくないので、すぐに退学させていただきます」


「よし、わかった。高校の退学手続きをしておく。大学の話についてもなかったことにするぞ」  


 こちらの思い通りに事が進んだこともあって、いつにもなく陽気な声を発していた。


「はい。それでOKです」


 真の本物に学歴など不要。高校、大学を卒業する時点で、真の負け犬に分類される。

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