第8話 大物登場!?

 「シオンさん先日の盗賊退治の件でお話があるのですがいいですか?」


  いつも通り森に行ってまものをかり、その解体をしてお金を貰おうとしたらいつものお姉さんに声をかけられた。


  特に断る理由もなかったのでお姉さんの後ろについていく。そしたら2階にある部屋まで案内された。


 コンコン


「入れ」


「失礼します」


 中に入ると線の細い賢そうなおじさんと豪華な服を着た青髪のゴージャスなおじさんがいた。ゴージャスなおじさんのすぐ後ろにはいかにも仕事が出来ますよ、という風にピッチリとスーツを着こなしたこれまたおじさんがいた。


  「こんにちはおじさん!」


  まずはあいさつ。大事だよね!


  「ああこんにちは。君がシオン君で間違いないかね?」


 なんだか生暖かい目で見ながらゴージャスなおじさんに問いかけられてしまった。


「はい!僕がシオンでこの子がゴリッピーです!」


「そうか。私はこの地の領主であるデロン伯爵だ。そして後ろの男が私の執事で付き添いだ。」


「そして私がビーゴ、この冒険者のギルドマスターです」


 なんと!ゴージャスなおじさんが領主でインテリおじさんがギルドマスターだとは!


「まずは盗賊退治のお礼を。アイツらを退治してくれて感謝する。恥ずかしながら王都からの帰り道に襲われてしまってね。その場はなんとか凌いだがこちらの被害が結構出てね。このままではどうするべきかと悩んでいた所なんだよ」


 そういえば洞窟に入った時に領主がうんたらって話してたような。


「それで領主様が冒険者ギルドに依頼を出しに来たのだが、その盗賊の特徴がシオン君が退治してくれた盗賊と当てはまってね。私からも感謝する。領主様の護衛に被害を与えるやつらならこのギルドにいる冒険者には少々荷が重いからね。」


「そう、それほど奴等は強かった。おそらく元は戦闘職だったのだろう。それで一体どうやって奴等を?」


「ゴリッピーが!」


「…ゴリッピーが?」


「フンッ!って」


「……なるほど。相当強いのだな、君の従魔は。」


「はい!世界で1番強いんです!」


「ウホ!」


「ははは、君たちは強い絆で繋がっているようだね。テイマーのスキルで従えているのかい?」


「従えてなんてないですよ!僕とゴリッピーは家族です!」


「な、なるほど。それはすまなかった。それなら一体どうやってゴリッピーとそんな関係に?」


「覚醒の儀で出会ったんです!スキルは貰えなかったけど気づいたらゴリッピーがすぐそばにいたの!」


「スキルが貰えなかったとは…初めて聞いたな」


「私も初めて聞きましたね。それに気づいたら魔物がいてその魔物と心を通わしているというのも不思議な話です」


「確かに不思議な話だがそれは今回の本題では無いからな。今回は君にお礼をしたくて呼んだのだ。なにか欲しいものや願いはないかね?出来る限り願いに応えられるよう尽力すると約束しよう」


 えー、欲しいものかー。何も思いつかないなー。


「ゴリッピーは何か欲しいものはある?」


「ウホ?」


 最近はマジックバッグという名の最強のアイテムを手に入れたしお金にも困ってない。願いっていっても何も不便してないもんな…あ!そういえば


「文字を教えて欲しいです!」


「文字か?そんなことでいいのか?なんなら学園へ推薦を出して通えるようにするか?」


 学校…?う、なんだか分からないけど頭が…


「学園は大丈夫です!」


「そ、そうか。なら明日以降私の屋敷に来てくれ。これを渡す。これを門番に見せれば中に案内してくれる。屋敷は大通りを真っ直ぐいけばでかい家があるのでそこが我が屋敷だ。」


「分かりました!」


 勉強はしたくないけど文字は読めないと不便だからね。


「それではまた明日!」


 バタン


「なかなか可愛らしい少年だったな。それにしても、ギルドマスターはあの魔物はどれ位とみる?」


「全く見たことがない種類の魔物で戦った姿を見てないのでよく分かりません。しかし初日にBランクの魔石を、さらにはオークを複数体普段から狩っているので少なく見積もってもBランクはありますね。」


「そんなにか。あの少年はスキルを持っていないと言っていたからな。Bランクの魔物もおそらく一体で狩ったのだろう。Bランク上位かAランクはあってもおかしくないか。それくらいの強さを持つのにお前の裁量でランクを上げてやらないのか?」


「1度受付嬢を通してランクを上げないかと言ったのですがね、特にランクに執着は無いようで断られましたね」


「特に名誉も欲していないか。先ほど願いを聞いた時も欲が無かったし不思議な少年だな」


「ええ、それでも心優しい少年なので従魔を含め危害を加えない限りはこちらに悪く働く事はないでしょう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る