第7話 襲ってくるなら許しません!

 最近はずっと近くの森で探検していた。最高で3日間森で過ごしていた事もある。寝る時はゴリッピーが抱きしめてくれるから野営もお手のものだ!


 ゴリッピーに「僕が寝てる間ずっと抱きしめてる体勢なのキツくない?」って聞いたけど、全然負担になってないみたいだから良かった。


 この森はCランクのオークが1番強いようで、他はDランク以下の魔物しかいないらしい。魔物のお肉の美味しさはどうやらランクが高いほど美味しいと聞いた。


 もっと美味しいお肉を求めるなら別の場所の方がいいんだけど、探検が楽しくてやめられない!もしかしたらどこかにお宝があるのでは!?って思うと細かく探し回ってしまう。お陰でほとんどこの森を探検しつくしてしまった。


 今回残った場所を探検したらこの森を制覇!と思っていたところ、なんと洞窟発見!絶対宝が隠されているよ!そんな気がする、うん。


 「ということであの洞窟を探検だ!ゴリッピー」


 「ウホ!」


 いつも通り触れるくらい近い距離で僕の真後ろにゴリッピーがいる陣形で洞窟を進んでいく。


 「頭、今回はしくじっちまいましたね。追手を考えるとここも早く離れたいすね。」


 「ああ、まさか執事のくせにあんなやるとは思いもしなかった。最初からアイツを戦力として見てたらここまでにはならなかったんだがな。とはいえ向こうも深手を負った。2日、3日はかせげるはずだ。」


 人がいる!怪我をしているような話ぶりだったけど大丈夫かな?もしダメそうなら僕達のポーションを分けてあげよう。折角な出会いだもんね!


 「こんにちは!大丈夫ですか?」


 「うわっ!なんだこのガキ…となんだ後ろの魔物は?」


 あれ?剣を抜かれてしまった。って魔法がこっちに!?


ボン!


 当たる!と思ってもいつまでも当たらないから目を開けるとゴリッピーが手を開いて突き出していた。ゴリッピーご守ってくれたんだ。


 「ッチ!なんだこいつらは。全員でいくぞ!」


 「ウホッ!ウホッ!ウホオオオオ!」


 ゴリッピーが怒っている。ゴリッピーは優しいから初めて怒った姿を見た。


 ☆


 そして10人いた男達はゴリッピーによって全員息の根を引き取った。


 「ありがとうゴリッピー。僕のために怒ってくれたんだね。」


 「ウホウ」


 そっか、悪人もいるんだね。人だからといっても外で会う時は警戒しないといけないんだなあ。


 この死体はどうしようか。あまり気分がいいものでもないんだけど捨てていくのも気が引ける。冒険者の死体は出来れば冒険者ギルドまで持っていく事が推奨されている。


 なら今回は持っていこう。他には武器やアクセサリーもあるけどこれも一緒に持っていこう。


 結局お宝はなかったなあ…

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