第6話 いざ探検へ!

 「今日は森に探検へ行こう!」


 「ウホッ!」


 そう意気込んで森へと向かう。冒険者としてのランクを上げるなら積極的に依頼を受けた方がいいらしいけど特に興味はないから、探検して余った魔物の素材を売ればいいかな。


 「ギ! ギギギギッ!」


 森に入ってしばらくしたらゴブリンに出会った。でもゴリッピーを見た瞬間逃げ出してしまった。


 「ウホ?」


 「いや、追わなくていいよ。それよりも美味しそうな魔物を狩ろ!昨日食べたお肉の味が忘れられないよ!」


 「ウホホ!」


 いた!あれはなんだろう?豚のような顔に人のように2本足で歩いている。それが3体もいる。ゴリッピーと同じくらい大きくてなんだか強そうだ。


 「ゴリッピー倒せる?」


 「ウホ!」


 「任せる!頑張ってね!」


 「ウホホホッ!」


ゴリッピーが声を上げながら突っ込んでいった。


 「ウガアアア!」


 相手もゴリッピーに気づいて雄叫びを上げる。


 相手より先にゴリッピーが仕掛けた。右腕を振り抜き相手の顔面を殴る。


 スパァンッ!と相手の顔面が風船のように弾け飛んでしまった。うわっ、なんてスプラッター!


 ただその隙に両脇に展開していた相手が腕を振り下ろしてゴリッピーを攻撃しようとする。  


 「ゴリッピー!」


 「ウホッ!」


 危ない!と思ったが、ゴリッピーの腕が一瞬で相手の顔面へと伸び、そのまま握りつぶした。


 「凄いよゴリッピー!強い!」


 「ウホホホ」


 「ゴリッピー手を出して」


 「ウホ?」


 どうして?といったように首を傾げながら両手を差し出す。


 「血で汚れちゃったからね。洗ってあげるよ。」


 「ウホ!」


 水魔法でゴリッピーの手を洗ってあげる。


 「ゴリッピーの手は大きいね。」


 「ウホ」




 「これどうしようね。倒したは良いけど持って帰れないや。」


 「ウホホ」


 「うわ凄い!力持ち!」


 「ウホ!」


 ゴリッピーが3体の足を引っ張って引きずるように持っていってくれる。こんな巨体なんだから一体全部でどれだけ重いんだろう。


 


 「昨日の坊主じゃねえか。ってすげえの引きずってんじゃねえか。」


 「あ!昨日のお兄さん!これはゴリッピーが狩ってきたの!」


 「お、おおそうか…強いんだな、ゴリッピーてのは。こいつは顔が無いがオークだろ?オークを3体も狩れるならすぐにマジックバッグを買ったらどうだ?」


 「マジックバッグてなに?」


 「なんだ坊主、知らないのか。マジックバッグてのは見た目は普通のバッグなんだが容量がめちゃくちゃでかいバッグだ。重さも感じないし中に入れたものは時間も経過しないから、冒険者連中はまずそれを買う事を目標にするらしいぞ。」


凄っ!なんだそれは。マジックバッグがあればゴリッピーとの旅もしやすくなるぞ!


 「ありがとうお兄さん!」



 

 「狩ってきた獲物はどこで解体してもらえますか?」


 「あらシオンくんじゃない。って、オークを3体も狩ってきたのね。凄いじゃない。ギルドの裏手に持っていって頂戴。」


 昨日のお姉さんに解体場所を聞いて狩ったものを持っていく。


 


 「解体したのは全部売るか?魔石とか欲しい部位ぎあるなら言ってくれ」


 「食べられる部位は全部貰います!」


 「全部ってなるとめちゃくちゃ多くなるけどマジックバッグは持ってんのか?」


 持ってない…


 「どれ位で買えるか分かりますか?」


 「マジックバッグなら安いのは金貨10枚、高いのは金貨30枚くらいだな。魔石を売ってくれるんなら1つ金貨5枚で買い取るぞ。」


 「魔石は全部売るのでお金下さい!今すぐ買ってくるので。」


 「お、おおそうか。解体まで時間かかるからその間に買ってくると良い。」


 

 折角なので1番高い金貨30枚のにした。でかい家が丸々入るくらいらしい。ゴリッピーはいっぱい食べるからね。お肉をいっぱい詰め込んであげよう。


 

 「さあゴリッピー、オークのお肉を食べてみよう!頂きます!」


 「ウホッ!」


 「うーーーん!美味しい!!!」


 「ウホホホホ」


 なんで美味しいんだ!ゴリッピーと一緒に世界の美味しい食べ物を求めて旅をするのもいいかもしれない!

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