学園カーストトップの異世界帰りの聖女様を助けて死にかけたら、強制的に恋人になる魔法のキスで蘇生されました~皆に隠れて毎日イチャラブしながら迫る危機は捻じ伏せます~
第25話 (R)エロすぎる後輩の誘惑と攻防、そして大賢者降臨
第25話 (R)エロすぎる後輩の誘惑と攻防、そして大賢者降臨
保健室に着くと誰もいなかった。時刻は十八時を回ろうとしていたから、保健室の先生も帰ってしまったのかもしれない。
俺は
「とりあえず、応急処置として湿布で良いかな?」
「お願いしまーす」
「じゃあ、少し待っていてね」
「はーい♡」
い、痛くないのかな……と疑問に思ったが、実際は軽い症状なのかもしれないな。
それなら、良かった。
一応、D組一年生のナンバーワンの集客力というのも馬鹿にはできないから、文化祭当日は頑張ってもらいたい。
俺は湿布を見つけると、
「じゃあ、肩と足首を見せてくれるかな?」
「はーい!」
「せんぱい、瑠奈のブラウス……、脱がしてくれませんか? 肩が痛くて……」
「えぇ……」
「さっきより痛みが強くなってきていて、脱ごうとすると痛みが! 手も上がらないです!」
うぐぐぐっと
「いや、自分でできるでしょ……」
「む、むりです。だって……」
身躾さんが肩をこちらに見せ、第二ボタンまで開けたブラウスから少しだけ肩を見せる。
確かに、腫れが酷くなっていた。
「お願いします、せんぱい……」
「――っ!」
最終下校時刻まで時間がなかった。身躾さんは一向に自分でやる気配がなく、待ちに徹している。
まずい。このままもたもたして時間を食うと警備員に保健室の鍵を閉められて、学園の中に閉じ込められてしまう。
それは絶対に避けたい。
というか、そうなったらジ・エンドだ。
これは残り時間のことも考えてもやるしかないのか。
なら、誤解を与えないためにも……。
「よし……」
俺は保健室にあった白タオルで目隠す。
そりゃ、遥以外の女性に手を出さないというサインであり、予防策だ。
でも、それじゃあ、ボタンがどこにあるか分からないって?
ウチの女子の制服は可愛いくて有名だ。
俺もカタログやパンフレットで何度も見たことがある。
高校に入学したら、こんな可愛い制服を着た彼女と一緒にハッピー学園ライフを送れると、お得意の妄想をしていたものだ。
俺は、ブレザーのボタンの位置、そして、ブラウスのボタンの位置、その構造を頭の中で把握し、身躾さんの身長に変換する。
そう、ボタンの位置など、心の眼で見ればいいのだ!
見える。
見えるぞ。
ボタンの位置が手に取るように分かる。
追い込まれたことにより解き放たれ、覚醒した俺の妄想力。
すっ、すっと身躾さんのボタンを外していく。
「へぇ……、せんぱい♡ 見えていないはずなのにボタン外すの上手だね♡ テクニシャン♡」
極限に集中している俺に身躾さんの甘い声など通用しない。
そのまま、身躾さんの第四ボタンまで外し終える。
俺はふぅっと一息つく。
「これで肩の方を見せるかな?」
「このまま全部外して、ブラも外していいですよ?」
「……冗談はよしてよ」
いや、まじで誘惑し過ぎだろ。
思春期男子にそんなことを言ったら全部外して豊満なメロンに
だが、俺には遥という恋人がいるのだ。
それをやったら、嫌われるどころか振られるのは確定だ。
「じゃ、じゃあ、湿布は自分で張れるよね?」
「無理♡ 手が上がらないもーん。お願いしまーす♡」
「…………!」
だが、俺の心眼は適切に身躾さんが怪我した肩の位置を把握する。
そして、湿布を手に取り、ぺたりと身躾さんの肩に湿布を貼った。
「ぁん!」
「変な声を出さないでよ!」
「だって、先輩のお湿布冷たくて気持ちいいから」
先輩のお湿布ってなんだよ。
これは学校のお湿布だわ!
俺は乱れそうになった心を整え、また、身躾さんのボタンを第二ボタンまで締める。
「あとは大丈夫だよね?」
「はーい♡ 足の方は私が張っちゃいまーす!」
「そ、そう」
しばらくして……。
「もうタオル取って良いよね?」
「いいですよー♪」
俺はタオルを取る、だが――。
締めたはずの身躾さんのボタンが開いており、艶めかしい目で俺を見つめていた。
少しでも下に目をやると身躾さんの紫色のブラが見えるというか、もう見えている。
「ど、どうして⁉」
「瑠奈のおっぱいが大きいから勝手に外れちゃった。あっ、ちょーどいいや。せんぱい、瑠奈のおっぱい……見たいですか? 頑張ったご褒美ですよ?♡」
身躾さんがブラに人差し指を掛けてちらりとその裏の秘境を見せようとしてきた。
「だ、大丈夫です!」
俺は眼を
「せんぱい、慌てすぎぃ。そんなに見たかったんだぁ~」
「本当に大丈夫だから‼」
俺は身躾さんを見ないように、後ろを振り返る。
「瑠奈は~…………、せんぱいになら見られても良いと思っていますよ?」
「――――っ⁉」
「ま、じょーだんですけど! あはっ!」
「ははは……だよねー」
この子は本当に何なんだ⁉
男の欲情を
「もう、大丈夫ですよー」
「本当に大丈夫⁉」
「はい♡」
俺は恐る恐る振り返ると、身躾さんはブラウスの上にブレザーを着ていた。
だが、ブラウスのボタンは開いたままだ。
身躾さんは、ふふふっと妖艶な笑みを浮かべ俺の方を見つめる。
なんて、エロやべー後輩だ!
危うくやられるところだった。
スマホを見ると、遥から心配のメッセージが入っていた。
【遥】:遅いですけど、大丈夫ですか?
俺はそれに返信をしようとしたが――。
「せーんぱい」
身躾さんが俺の制服の腕の裾をぎゅっと掴み、引っ張る。
俺はバランスを崩して――、身躾さんをベッドの上で押し倒す形となってしまった。
「あはっ! また、せんぱいに教室までおんぶしてもらおうと思ったら、押し倒されちゃった♡」
「いや、押し倒してないからね⁉ 身躾さんが引っ張ったよね⁉」
「もう……そんなのどっちでもいいですよ!」
寝転んだ反動でブレザーのボタンが外れたのか、身躾さんの恰好が絶妙に淫らになる。
身躾さんは頬を赤くしてじっぃと、ねっとりとした目で俺のことを見つめる。
「先輩」
「な、なに?」
「実は……、わたし、さっきから胸の奥のドキドキが止まらないんです。先輩のこと……もっと知りたくなっちゃいました。あと少ししたら皆もいなくなるし、ここで私と……一緒に楽しいこと……しませんか?」
身躾さんは色っぽく唇に手を当て、グイッと胸を強調し、首を少し傾げてこっちを見つめた。
楽しいことって何ですか⁉
いや、童貞の俺でも分かるわ!
ここでえちちなことをしようって言っているのだ。
通常の男であれば、ここまでエロく誘われていたら確実にヤっているだろう。
だが、甘い。
俺は遥一筋。
初めては遥とすると決めているのだ。
こんな誘惑には屈しない。
「もう、もどらな……いと……、みんなが……、あれ?」
だが、さっきから可笑しいのだ。
身躾さんの瞳から眼が離せないし、じーっと見つめていると、ぐるぐると意識がまどろんでいく。
「どーしました? せんぱい♡」
なんだこれ、どんどん意識が遠くなっていくし、体の奥底からムラッとしてきて、女性を貪りたいという欲求に駆られてくる。
最高に甘い果実が目の前にある。
それに
なぜだろうか、どうしようもなく身躾さんに対する欲情を抑えられない。
「……せんぱい……いいよ? 我慢しなくて」
メスの顔をした身躾さんが煽る。
堪えられない欲求が湧き水のようにドバドバと出てきた。
ま、まずい。
なんだこれは……。
そして――、身躾さんが俺の耳元で甘く囁いた。
「瑠奈を」
「いっぱい」
「…………滅茶苦茶にして?」
は、遥――!
バチリッと身躾さんを拒むように、俺の指先から強い静電気が放たれ、
「「いたっ!」」
とお互いに少し距離を取った。
そして、急に遥のことが脳裏に焼き付くように思い出された。
悲しんで、泣いている顔……、そんな顔を俺は見たくなかった。
頭の中が冷静になり、賢者タイムとでも言うのだろうか、えちちな恰好をしている身躾さんを見ていてもそそられない。
賢者ではない。
もはや、大賢者降臨だ。
俺は着ていた上着を身躾さんの体に掛ける。
さらに言えば、
「バカなことは言ってないで、カフェテリアに戻ろう。身躾さんが無事だってことを皆に知らせないと。心配しているはずだからさ」
と大人の余裕を見せつけられるくらいだった。
「えっ……、う、うそ……。私が……拒まれた? なんで……、あり得ない……」
「ん? どうかした?」
当の身躾さんは妙に驚いた様子で俺に触れようとした手を腰に回して隠した。
「手、大丈夫?」
「だ、だ、大丈夫です!! ……とりあえず、皆さんの所へ戻りましょうか」
身躾さんは俺の上着を脱ぎ捨て、乱れた服装をいそいそと整えてから、スタンとベッドから降りて俺より先に保健室から出て行った。
おい、歩けるのかい!
全然大丈夫じゃねーか!
☆
カフェテリアでは、眼鏡君とポッチャリ君と遥が待っていた。ポッチャリ君は身躾さんに謝り、三人は一緒にカフェテリアを出て行った。
二人残されたカフェテリアで遥が不思議そうに俺に言った。
「あの、何かありましたか? その……、私、急に胸騒ぎがして……、体の中に電気が走ったような感じがしたのですが……」
「遥も?」
――これが【性なる守護】の魔法の力かもしれない。
パートナー以外の異性に誘惑された時、その異性を弾き、パートナーを守護する魔法。
一種の魔除けのようなものだろう。
だが、その感覚は二人で共有するのか。
遥も違和感を感じたということは、きっと何があったのか誤魔化せない。
いや、するつもりもない。
俺は先程あった身躾さんとの一件を包み隠さず、正直に話した。
「そうでしたか、何もなくて良かったです。治療のために仕方がなかったですし、事故のようなものです。私も景太を一人で行かせてしまいましたし、そもそも私の彼氏を誘惑しようとした身躾さんが悪いです。景太は悪くありません。むしろ、精一杯頑張りました。私は景太を信じていましたから、気にしていませんよ」
そんな遥の優しさが心に沁みた。
「それに、景太の肌に触れていいのは私だけですから。他の女は弾かれて当然です!」
そして、そっと俺の手を握って自分の頬に添えてふふっと嬉しそうに微笑んだ。
温かい。
俺がその手を拒むことなど、決してありえなかった。
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