15話

 

 ヨハネスは、カルタロの指を指した場所を見て慌てた様子を見せ


【ヨハネス】 「あわわわ、これは、これは‥」


【カルタロス】 「これは何かなヨハネス?言わないとわからないよ?」


【ヨハネス】 「あぅ、申し訳ありませんカルタロス様‥。私が未熟なせいで‥この人を殺しますか?」


 そう言いヨハネスは腰から短剣を取り出し構える。私はそれを見て


【カルタ】 「だずげでぐだざい。誰でもいいがらこれをどっでぐだざい。なんでもじまずがら、お願いでず」


 と涙を流しながら言い放つ。カルタロスは


【カルタロス】 「ヨハネス、武器を納めなさい。とりあえず、この娘から事情を聞こうではないか。拘束をといて、回復させヨハネス貴方の服を貸して上げなさい」


【ヨハネス】 「カルタロス様‥いいのです?助けても?もしかしたら演技かもしれないですよ?」


【カルタロス】 「大丈夫、この子からは敵意を感じない。感じてたなら僕が殺してるよ。それとも、僕の言った事が出来ないのかなヨハネス?」


【ヨハネス】 「はぅぅ、わかりました。やればいいのでしょう。ダークカッター」


 そう言いヨハネスの手に鋭く尖った魔力のカッターが出現しそれでカルタの拘束していた者を一瞬で切断し、カルタを抱えてゆっくりと回復魔法をかけていく。するとみるみるカルタの傷が無くなり、ヨハネスは空間に手をいれ服を、取り出し


【ヨハネス】 「これ、着なさいよ!!‥カルタロス様から頂いた服なのに‥‥」


【カルタ】 「あの、そのありがとうございます。服は‥必ずお返しします」


【ヨハネス】 「ふん。当たり前よ!!」


【カルタロス】 「さて、何故この様な所で君は拘束されその様な仕打ちを受けているのかな?ここには最上級魔族のコンパス・シルクライナがいる筈だが?やはり、魔王様が言ってた事が起こっていたと言うのか‥僕が任務についていて遅くなったのが原因だ‥」


【カルタ】 「コンパス・シルクライナ‥」


 といい体が震え始めるそんなカルタを抱きしめるカルタロス。それを見て


【ヨハネス】 「わぁあ!!ズルい、ズルい。私も抱きしめて欲しいのに」


【カルタロス】 「ヨハネス、我慢しなさい。またしてあげるから。まずはこうしないとこの子が話せない。」


 そう言うとカルタは、抱きしめ返し


【カルタ】 「あいづが、ぎでがら、しゅらぐがおがしぐなっだの。たぐざんの人が殺されわだじだぢ女性は‥」


【カルタロス】 「もういい話さなくて。状況が分かったから。辛かったな‥僕がここの元凶であるコンパス・シルクライナを殺す。魔王様の許可も頂いている。話をして真実を話すのであれば殺しはしないが‥その時はきちんと報いは受けさせる。だから安心しなさい。それに‥今は泣けるだけ泣きなさい。ヨハネス、私がこの子を見ている間にコンパス・シルクライナをここに連れてきなさい。ただ強い奴の反応があるから、最悪勝てないと確信が持てた場合のみ本気を出すことも許可する」


【ヨハネス】 「わかりました‥けど‥私も抱きしめて褒めて欲しいです‥」


【カルタロス】 「まだまだそこは子供だな‥分かった。ちゃんと言いつけを守ったら抱きしめ褒めてあげるよ」


【ヨハネス】 「約束ですよ!!」


 そう言い、2階に上がる階段をゆっくりと上がって行くのであった。カルタは泣きながら


【カルタ】 (ひぐぅ、ひぐぅ、カルタロス様って名前どこかできいだごどがある。まさか?)

「あど、きぎだいごどがあるのでずが、カルタロス様って魔王様の幹部のかだでじゅか?」


【カルタロス】 「そうだね。僕はブブガリン魔王様の幹部だよ」


 それを聞き慌てた様子で抱きしめるのを辞めてその場に土下座し


【カルタ】 「すみまぜん‥。ふぐを涙でよごじでしまいすみまぜん。」


【カルタロス】 「気にしなくていいよ。それよりも、君の名前は?家族は?」


【カルタ】 「グレン・カルタでず。家族はもうあいだぐないでず」


【カルタロス】 「グレン・カルタか。いい名前だ。それで会いたくない理由は何だい?」


 そう聞かれた為に事の経緯を話すと


【カルタロス】 「成る程‥そんな事があったか。それは縁を切りたくなるよな。確かにコンパス・シルクライナが悪いけど、家族を見捨てる奴は最低だ。自分の命が大切だからといって家族を犠牲にするなんてな。行く宛がないなら、僕と共に来るかい?君が望むなら僕は構わない。」


【カルタ】 「えっ?けど‥あの貴方の娘が嫌がるのではないでしょうか?」


【カルタロス】 「ヨハネスの事かい?ヨハネスは、母親と父親から虐待を受け挙げ句の果てに凶悪な魔物の巣窟に捨てられていた子だ。たまたま僕がそこを通りかかり、魔物に殺される寸前で助けた子だよ。そこから僕と一緒に行動してる。もう3年前になるかな」


【カルタ】 「そうなのです?なら私も‥カルタロス様と一緒に行動してもよろしいでしょうか?」


【カルタロス】 「構わないさカルタ。マルタ見たいに君にも色々な事を教えてあげるよ」


 とそこでカルタロス様と一緒に行動することが決まったのだった。


 その頃とある部屋では外を眺めながら椅子に座ってる人物が


【】「おっ?強い奴の反応が2つ。1つがあのコンパス・シルクライナの場所に向かってんな。コンパス・シルクライナは全く気づいてねな‥本当に‥あれで最上級魔族かよ。仕方ねから、相手をしてやるか。俺に本気を出させれる奴だといいんだがな」


 そう言い、立ち上がり透明化し部屋から出てヨハネスの所に向うのであった。

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