07話

 

 ヨネ達は現在、マルチダの案内にてカルタロスが行くようにと指示された場所に向かっており洞窟の奥に来ていた。その際に、ヨネは何か尻尾から電流が走った感覚を覚え立ち止まってしまった。それにたいして


【竜】 「ヨネ?立ち止まってどうしたの?何かあった?」


【ヨネ】 「‥体に電流が走った。今までに感じた事のない奴」


【竜】 「誰かが来るの?」


【ヨネ】 「わからないです。とりあえず少し急ぎましょう何かあったら困るから!マルチダ、大丈夫だから案内続けて下さい」


【マルチダ】 「あっ、はい。とりあえず開けた場所にもう少しでつきます」


 と言い、その場から再び移動し始め少しして開けた場所に到着するとそこに右と左に門が見えた。


【マルチダ】 「右側を進めば魔王城に向かうことの出来る地域に出ることができます。左側は、今はもう無くなりましたがカルタロス様の別荘がある地域に出る事ができます。洞窟から出た所でどちらも半年はかかるんですけど。空を飛んだり、転移魔法を使えばもう少しはやく行き来きできますが私は使えません‥」


【ヨネ】 「右は魔王城って事はハクビがいる場所ね‥。左は私のお父さんの住んでた場所なんだ」


【竜】 「マルチダ、目的の場所はどっちなの?」


【マルチダ】 「それは、この右と左の間の壁に隠しスイッチがあるそうなのです。一緒に探して貰ってもいいですか?」


 そう言い、3人は右門と左門の間の壁を手探りにて探す事にし、しばらくすると押せそうな岩を発見した竜。


【竜】 「ヨネ、マルチダここの岩何ですが奥に隙間があって押せそうです」


【マルチダ】 「本当ですか?なら押して貰ってもいいですか?」


【ヨネ】 「本当?」


 竜は、その岩を押すとカチャんと言う音がし、3人は少し下がって様子を見るも特に変化なく


【ヨネ】 「音がしましたけど‥何も起きませんね?」


【竜】 「確かに音はしたよね?どういう事かしら?」


【マルチダ】 「おかしいですね。もしかすると、他にもスイッチがあるのかもしれません。もう一度探して見ませんか?」


 そう言い再度壁を探し始めるも、それらしき物は見つからず3人はその場に座り込み


【ヨネ】 「何もありませんね」


【マルチダ】 「カルタロス様が教えてくれたのは確かにここなの。スイッチを押したら言いって言ってました」


【竜】 「もしかしてだけども、仕掛けが壊れたとかじゃない?」


【マルチダ】 「‥あり得るかもしれません。カルタロス様と出会ったのもかなり前ですから」


 と諦めかけていると


【アルパス】 (ヨネ、あのスイッチだけど竜はそのまま押してカチャと言って手を離したわよね?)


【ヨネ】 (そうですね)


【アルパス】 (あそこ見てご覧。スイッチ押したなら本来なら奥に押し込まれる筈なのに元に戻ってる。もしかすると、ずっと押さえておかなければいけないのでは?)


 そう言われた為にヨネはスイッチの場所に目を向けると確かにスイッチが元に戻っていた。その為に


【ヨネ】 「少し試したい事があるからここで待ってて2人とも」


【竜】 「何かわかったの?」


【マルチダ】 「わかりました」


 それを聞きヨネはスイッチの場所に到着しスイッチを再び押し込こむ。すると再びカチャと言う音がするが、スイッチが戻ろうとしている感覚があった為にヨネはスイッチを押さえ込む。すると、ガガガガガガガガガ、と音がなり始め広い空間の床が右側にスライドし始める。その為に、竜は翼を展開してマルチダを抱えてヨネの元に行く。


【竜】 「もしかしてそのスイッチって押し続けないとダメな奴なの?それは気付かなかったわ」


【マルチダ】 「そうですね‥」


【ヨネ】 「見て下さい!!床がスライドして、地下に続く階段が出現しましたよ?けど手を離すとスライドが戻って行くみたい」


【竜】 「行くしかないわよね?」


【マルチダ】 「そうですね」


【ヨネ】 「先に行って、私は2人が降りてからすぐに行くから。それまでスイッチ押しとくから」


 そう言うと、竜達は頷きそのまま階段を降りて行き始める。そして、ヨネは手を話すと、スライドが戻り始め、走り出しヨネは階段を降りると少しして完全に入口が閉じられたのであった。


【ヨネ】 「とりあえず、階段まで来たけれど‥暗くて何も見えません。ライト」


 そう呟くと同時に創造の魔法にて光の球体を展開し明るくし、竜達と合流するために歩み始めるヨネだった。そして、少しして村にいた魔族もまた洞窟にきており


【魔族】 「あそこから行く場所としては、この洞窟を抜けなければ何処にも行くことは出来ないからな。相手が転移魔法、空を飛んだりしてなければだがな」


 そう言い洞窟を進み、開けた場所に到着するなり


【魔族】 「さてだ、どっちに向かったのかって事になるんだよこれが‥。右か、左か‥わからない。けど‥それよりも気になるのが床だ。何故1箇所に岩が1列に集まってる?!気にしない奴は気にしないかもしれないが明らかにおかしいだろ?こんな事はここを通っているがなかったわけだ‥」


 と、辺りを見渡し始める魔族の男。そして何やら違和感のある岩を発見した魔族はそれに近づくなり押して見るとカチャと言う音がした為に手を離す。


【魔族】 「ビンゴか?このまま床に変化があるはずだ」


 そう言いしばらくまつも変化なく


【魔族】 「変化ないだと?ならカチャと言う音は何だ??他にもスイッチがあるのかって、押したスイッチが元に戻ってるだと?もう一度押してみるか」


 スイッチを押すまたカチャと言う音がした為に手を離すとスイッチがゆっくりと戻り始める。それを見て魔族は


【魔族】 「そう言い事か‥押し続けろって事な。誰だこれを考えた奴は?」


 そう言いスイッチを押し込み続けるとガガガガガガガガガガガガガガガガガガと床が右側にスライドし


【魔族】 「床が全て右側にスライドして、地下に続く階段が出てきたか‥。こんな場所があるなんて知らなかったぞ?ならここに来た連中達は何をしようとしてる?とりあえず、降りて進むしかないか」


 そう言い階段に降りて少しすると完全に床が戻り入口が閉じ


【魔族】 「もう、後戻りできねな。それにしても暗いな。ダークライト」


 そう言うと暗い光が辺りを照らし、魔族の男は階段を降り始めるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る