第83話

 

 〚獣人の国〛


【シン・ランジエル】 「おいおい、まさかこんな手で来るなんて思いもしなかった。雛田真昼ひなたまひる、そりゃあ悪手ってなやつだ。お前ら、あの双子の所在を探せ!!他の指名手配された奴も。見つけしだい保護または話を聞け。それとヨネの事を化け物とか言ってる奴がいればそいつを痛めつけ2度とそんな事を言わせないようにしろ!!」


【男獣人】 「ボス、それは大丈夫です?あの化け物と呼ばれた奴は危険では?」


【シン・ランジエル】 「おい、お前?いま化け物って言ったか?ふざけんじゃねぞ!!それにお前新入りか?舐めた口を聞くとはいい度胸じゃねか?」


 と殺気が部屋を包み込むも、片目眼帯の人物がシン・ラジエルの腕を掴み


【眼帯】 「ボス、そいつの言う事はわからねでもない。あんな大穴があいてるのを見せられたらな。けどボスは大丈夫だと思ってるんだな?なら従うしかないだろ!!」


【女獣人】 「お前ら、ボスの意見に従えねならこの獣人国から出て行きな!!あたしが放おり出してやんよ!!」


【シン・ランジエル】 「お前ら、いつ帰ってきた?更に腕を磨きやがったな?気配を感じれなかった。」


【眼帯】 「つい先程です。それよりも、お前らさっさと行かねか!!保護と搜索にでろ!」


 そう言い放つと部屋にいた獣人達は一斉に行動を開始したのであった。


【女獣人】 「ボス、あの大穴は本当にあの映し出された奴がやったのか?」


【シン・ランジエル】 「わからね。けど昨日試合で見たヨネと言う人物はあれ程の大穴をあけれるとは思えね。雛田真昼の仕業で間違いないだろ。お前ら帰って来て悪いが雛田真昼の所在と、マルタの所に向かってくれ。娘のマルタが暴れて被害を出す前に止めろ!!娘はあの映し出されたヨネの事を余程気に入ってた。こんなの見せられれば暴れ出すかもしれね」


【眼帯】 「了解だボス。なら俺がマルタの所に向かおう。マルタの魔力にマーキングしてるから一瞬で行けるからな」


【女獣人】 「ならあたしは、雛田真昼の所在を探しに行くぜ」


 そう言い2人はその場から姿を消したのだった。残されたシン・ラジエルは


【シン・ランジエル】 「こりゃ、世界が動き出す。勇者の娘を欲しがる連中、殺そうとする連中達がわんさかいるからなこの世界は‥」


 と呟くのであった。




 〚実戦訓練の行われる場所〛


【シン・マルタ】 「ふざけるにゃん!!メスが、化け物?それに、街を滅ぼし職員をも殺した?そんな出鱈目信じるわけないにゃん!!あの雛田真昼って奴は嘘つきだにゃん!今すぐにアソコに行くにゃん!!」


【ランラル・マカロン】 「マルタ、待ちなさい!!皆、マルタを止めるの手伝って」


岩窟がんくつボウガン】 「マルタ、落ち着け!!何かの間違いだから」


【ナンバー3】 「お前が行った所で何が出来る?勇者本部と敵対するのか!!」


【ナンバー2】 「マルタよ、手を貸してやろうか?」


火弾響也かだんひびや】 「それは辞めろ。」


【ナンバー10】「まさか、あの娘が勇者の娘だったとは。少し興味が」


 と暴れるマルタにそれぞれが魔法で拘束するも


【シン・マルタ】 「放すにゃん!!私の邪魔をするな」


 そう叫び闘気を纏うマルタ。すると、突然と1人の眼帯の人物が現れ


【眼帯】 「ギリギリだったか。マルタ、今は何もするな。さもなければお前をここで再起不能にする」


【シン・マルタ】 「‥何でここに?それに何もするなってどういう事にゃん?父ちゃんが何かするの?」


【眼帯】 「ボスは、捜し出し保護と話を聞けと言い放った。だから、今は何もするな。あの映し出されたヨネと言う娘が見つかりしだいお前には連絡する。だから今は本当に何もするな」


 それを聞きマルタは闘気を辞め


【シン・マルタ】 「分かったにゃん。けど、メスに何かあったらこの世界をぶっ壊す。本気で壊すから覚悟するにゃん。例え、世界が敵になろうと私は全てを破壊する化身になるにゃん。この意味が分かるよね?」


【眼帯】(‥ボスが言ってた事は本当か。これは、ヨネと言う人物を最優先に探さなければいけないな‥本気を出されると取り返しのつかない事になる) 「分かった。けど約束は守れよ」


 そう言い眼帯の人物はその場から姿を消しシン・マルタは


【シン・マルタ】 「とりあえず‥今は実戦訓練に集中するにゃん。皆、はやく行くにゃん」


 と言いその場から離れるのであった。





 〚丘の上〛


【カエル】 「やってくれたケロね」


【シグレット】 「世界が動き出しますね‥本当に馬鹿な事をする」


【ターロン】 「カエル、どうするんだよ?ガルって奴は1人で出ていったんだろ?」


鳳華ほうか】 「ヨネって子も急いで探さないとヤバいよ?1人で何処かに飛ばされんでしょう?」


【カエル】 「分かってるケロ!!とりあえず、探さないといけないが、行方不明‥いいや裏切り者の隊の奴らも放っておけない。アイツらが、最後に映し出された写真の職員共を殺し、2人の人物を連れ去ったと情報も得ている。」


【シグレット】 「カエル、とりあえず私達は裏切り者を始末することに集中した方がいいのかもしれないわ」


【カエル】 「‥それはお前の例の能力か?それとも」


【シグレット】 「そうよカエル。けどヨネ達を助けるのも良いでしょう。決めるのはカエル貴方です。」


【カエル】 「‥仕方ない先に例の裏切り者を始末する。捜し出し殲滅するケロ。はなびには伝えてくるケロから、お前達は先に俺の家の地下に行きサニーラスとミーズンに伝えてくれ」


 それに、同意しその場から3人は消え、残されたカエルははなび達が休んでいる場所に向かう。



【はなび】 「‥雛田真昼、お前だけは私が殺してやるわ。今はそうやっていればいい‥紅葉くれは鉄心てっしん、今から私はレジスタンスを作り上げ、勇者本部を潰す。だから、隠れながら仲間を集めたい‥大変な道のりだけど手伝ってくれる?それと‥妹、ヨネの搜索も」


【紅葉】 「レジスタンスですか?それはいい案だと思います。雛田真昼は少しやり過ぎたわね‥けどかなり大変な道だけどお供します」


【鉄心】 「了解だ。とりあえず、先ずは隠れる場所と仲間探し、そして修行だな」


 そう話しているとカエルがやって来て


【カエル】 「はなび、すまないがオイラ達は別の事をしなければならなくなった。何かあればこれに連絡くれ。そうすれば少し助けになるケロ。ヨネの事は本当にすまなかったケロ‥」


【はなび】 「カエルさん、大丈夫です。私も少し言い過ぎましたごめんなさい。それで私は覚悟を決めましたから。今回の件はカエルさん達は悪くありません。悪いのは勇者本部の連中です。そこを潰さないとこの世界は変われない。だから私達は、私達の道を行きます」


【紅葉】 「とりあえず、何か困った事があった時に使わせてもらいます。ありがとうございます!!私達ももうここから立ち去ります」


【鉄心】 「はなびは、命に変えても守り通す。だから、自分達のやるべき事を」


【カエル】 「分かったケロが、はなび無理はするなケロ。命は1つしかないから大事に、それと仲間は大切にするケロよ!!また、会える時を楽しみにしてるケロ」


 そう言いカエルは消え去りはなびは


【はなび】 「紅葉、鉄心、私達もそろそろ行きましょうか」


 と言い、3人はその場から歩みだしたのだった。



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