第78話

 

 時間は少し遡り、ヨネ達は憩いの宿屋から窓を使い屋根の上を皆は逃げており


【ヨネ】 「森ってここからどれくらいなのです?そこに行けば本当に大丈夫なのです?」


紅葉くれは】 「ここから、そんなには離れてません。そこには信頼出来る人が貴方方を助けてくれます」


亜実あみ】 「それは本当の事なのです?私は貴方達の事を知らないの。敵だった貴方達の言葉を信じろと言われるのです?」


【ガル】 「確かに、それは言える。俺達を騙そうとか思ってないか?」


 と言う。それに鉄心てっしんが懐から指名手配書を見せる。それを見て


【はなび】 「私とヨネだけ捕縛と言う事は‥勇者の娘だと言うのがバレたからでしょう。どのみち、逃げるしか今は何も出来ないのね‥」


【紅葉】 「はい‥その通りです。もう少しでこの街から出れます」


 と言うも、はなびは何かを感じ目の力を開放すると


【はなび】 「結界が貼られたわ‥。この街を覆う結界が」


 そう言うと皆は立ち止まり、


【紅葉】 「雛田真昼ひなたまひるの結界でしょう‥。不味いことになった。まさか雛田真昼が来ているとは想定外ですね‥って皆その場に伏せて」


 そう言うと皆はその場に伏せると、頭を何か鋭い物が通り過ぎ、1人の女性が姿を見せ


【女性】 「追いつきましたよ皆さん!!それに裏切り者の、紅葉に鉄心。勇者の娘2人以外は殺しても良いとの事ですのでお覚悟を!」


【鉄心】 「おいおい、精鋭部隊のアンタ達が来たのかよ。紅葉‥コイツの相手は俺がヨネ達を連れて逃げろ!!出ないと殺されちまうぞ」


【女性】 「面倒くさいお前は消えなさい!」


 と言い放つと同時に衝撃波が鉄心を襲い、遠くに吹き飛ばされ家がいくつか倒壊する。


【はなび】 (この女‥かなりヤバい。今の私達では勝てない‥)


【ヨネ】 (どうしよう‥絶対にこの女の人と戦ってはだめだ。それぐらいわかるぐらいにヤバい‥)


【アルパス】 (絶対に戦ってはだめ。あの女は今まで戦った相手とはレベルが違いすぎる。どうにかここから逃げる事を考えなさい)


【アレン】 (おいおい、まさかここまでの奴がいるなんて。あのマルタって奴よりも数倍ヤバい‥マルタのそこはしれないが、あの訓練で戦ったマルタより数倍強いから、絶対に戦うな)


【ヨネ】 (2人ともわかってる)


 と考えており、


【紅葉】 「ヨネ様、はなび様、急いでこの場から離れて下さい。ここは私が引き受けますから。吹き飛ばされた、鉄心の場所に向かいなさい。彼ならあの程度でやられたりしないから」


【女】 「今の貴方が私を足止め出来るとでも?時間停止魔法は使えない貴方がね」


【紅葉】 「確かにそうだけど、ヨネ様とはなび様を逃がす時間は稼げる。はやく、行きなさい」


 そう言うとヨネ達は、言われた通りに鉄心が飛ばされた方に走り出す。女はすかさず衝撃波を放つも、それを紅葉は魔法の障壁にて防ぎヨネ達はどうにか離れる事が出来たのだった。


【紅葉】 「さて、貴方相手ではこの姿では厳しいですね。勇者ルルアン様、言いつけを今破ります。お二人に危害が出てはあわす顔がありませんので」


【女】 「何を今更言ってるのかしら?貴方はここで私が始末しますよって、お前はまさか!!」


 と紅葉の耳が尖り始め、体から魔力が溢れ出し


【紅葉】 「そう、私はエルフよ。勇者ルルアン様は私がエルフだとバレるのを防ぐ為に私に隠蔽魔法をかけたのですから。さてここからは逃がす為の時間をかせがせてもらう」


 そう言い空間から弓を取り出し、女に放つ。女はそれを魔法で相殺するも既に新たな矢が2本放たれており


【女】 「この程度で殺られる程甘くない」


 といいその矢をを躱すも、矢は戻り女を追尾する。


【女】 「魔法の矢か。面倒くさいわね!!」


 そう言い、魔力の塊で矢を相殺する。


【紅葉】 (やはり‥この程度の力では簡単に相殺されますね。ヨネ様達が逃げ切れればそれでいい。それに私が知らない強者の反応がこちらに3人向かってる。仲間の可能性が‥それにかける)


 そう思い、更に弓から魔法の矢を連続で放つのであった。


 ヨネ達は、鉄心が飛ばされたであろう場所に到着しようとした際に眼の前に、3人の人物が現れ


雛田真昼ひなたまひる】 「さて、もう逃げるのはお終いです。観念し投降しなさい」


【ヨネ】 「‥嫌ですと言えばどうなります?」


 そう言うと雛田真昼は隣の人物に何か指示をすると、亜実とガルの足が何か魔法で数回撃ち抜かれ貫通し


【亜実】 「いぐぅ」


【ガル】 「ぐがぁ」


 とその場に倒れ込む。


【雛田真昼】 「こうなりますよ!!今は技と外すように言いました次は殺しますよ?賢い選択をすれば、助かるのですよ?」


【はなび】 (何?ヨネの様子がおかしい?何このとてつもない魔力は?)「ヨネ!どうしたの?ヨネ!!」


【ヨネ】 「ふざけるな!!お前は、お前達は、亜実をまた酷い目に合わせるのか?それにガルも、絶対に許せない、許せない、」


 と言うと同時に、剣の封印が発動しヨネの体内から心臓を締め付ける。その痛みに顔をしかめるも


【ヨネ】 「こんな痛みどうでもいい。亜実をこんな目に合わせたコイツラを殺せるなら、今はどうでもいい。力を、力をよこせ!!」


【アルパス】 (ヨネ、辞めなさい!!アレンどうにか制御出来ないの)


【アレン】 (制御出きね。ヨネの怒りが引き金となり発動した。制御しようとしたが弾かれた。それに封印魔法が発動してるも、破壊された!!)


 ヨネから、どす黒い魔力が溢れ出し上位魔族の角と翼4本、尻尾が生える。


【雛田真昼】 「凄まじい魔力ですね。けれど、抵抗するのですね。なら殺しなさい」


 と命令するも、次の瞬間に隣にいた2人の人物は、尻尾に串刺しにされた人物と翼から放たれた羽根がお腹を貫通し死亡し


【ヨネ】「あははははは、これよ、これ。この力があれば良いのよ。次はお前の番だ!!」


【雛田真昼】 「この力は何?それに貴方は今は本人なのか?本当に勇者の娘だと言うのか?この姿まるで魔王」


【はなび】 「ヨネ?どうしたのよ、貴方はこんな事をする人じゃない!!」


【ヨネ】 「姉さん、大丈夫です。この元凶を殺してしまえば全てが解決するの。だから姉さんそこで動かないで下さい」


 そう言うと同時に、雛田真昼に一瞬で近づき蹴りを繰り出すも、雛田真昼はいつの間にか手に持っていた杖で魔法陣を幾つも展開し衝撃を抑えるもその場から吹き飛ばされ、それを追いかけ消えるヨネであった。


【ガル】 「あの、力が出たのかよ。あれは先生が封印した筈だろ」


【亜実】 「‥もしかして私達のせい?あの時も早耶さや先輩が酷い目にあった時にああなった」


【はなび】 「2人とも、すぐに回復させるから、どうしたら戻せるの?」


 と回復魔法をかけながら聞く。それに


【ガル】 「分からない‥」


【亜実】 「封印するしかないのでは?けど今は先生いない」


 そう言うのであった。その頃、魚晴也は


【魚晴也】 「何だと?封印魔法が破壊された?それにこの濃密な魔力はまさかヨネ?力が暴走したのか?それにあの時とは桁外れな魔力だ。糞」


 といいその魔力を感じる場所に急いで向かう事にした。


 ターロンと鳳華ほうかもまたその濃密な魔力を感じ


【ターロン】 「何だ、この濃密な魔力は?魔王でも現れたのか??今までに感じた事がない魔力だ」


【鳳華】 「とりあえず、あの場所に向かう?エルフの所に向かう?それとも、ちっぽけな魔力の場所に向かう?最後の所にも少し強そうな反応、ドラゴンの反応が近づいてるよ?」


【ターロン】 「エルフの所には鳳華、お前が行き話が聞けるなら聞け。俺はドラゴンの所にいく。それが終わりしだい、濃密な魔力の場所に行くぞ。お前は俺とな」


 そう言い3人は移動し始めるのであった。


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