第77話

 

 〚カエルサイド〛


 カエルと、氷牙ひょうがの戦いは凄まじさを増しており広い空間には刀で両断したとされる物が更に増え、そして壁には槍で貫いて出来た穴が沢山出来ていた。そして2人は息をきらした状態で離れた場所におり


【カエル】 「はぁ、はぁ、はぁ、まだ足りないケロか?もう雷を纏えないケロよ」


【氷牙】 「はぁ、はぁ、まだ仕留めきれない。これ程の相手とは‥それに俺ももう氷を纏えない」


 と、カエルは傷だらけで氷牙は片腕の氷が溶け無くなっており、鎧も至る所が破損し肌がみえ切り傷が沢山出来ていた。


【氷牙】 「‥カエルよ、お前が俺達の時代にいればもっと楽しかったと思うぞ。そう思わないか?」


【カエル】「馬鹿を言うなケロ。お前と同じ時代にいればこんな厳しい戦いばかりなんじゃないかケロ?」


【氷牙】 「ちげぇね。さてと、カエル俺はもうこの一撃でお前を仕留める。」


【カエル】 「そうだな。ならその一撃、受け止めとどめを刺すケロ。


 そう言い2人は氷牙はボロボロの槍に氷を纏わせ構え、カエルもまたボロボロになっていた刀に雷を纏わせ構える。そして、天井から石が地面に落ちた瞬間に同時に動き始め


【氷牙】 「氷撃突きひょうげきつき!! 


【カエル】 「雷一閃かみなりいっせんせん!!」


 そう言いお互いの技が衝突し、カエルの刀が槍を打ち破りそのままカエルは刀で横に一閃すると氷牙の体は横に一閃され、上半身が地面に落ちながら


【氷牙】 「見事だ、お前との戦い実に楽しかった。楽しかったぞ」


 といい地面に落ち、氷牙は息絶えたのだった。そしての持つ剣もまた折れ地面に落ち


【カエル】 「‥オイラも戦えて良かった‥。だが、この活かすかない復活をさせた奴は許さね。死者を冒涜するやつは許さね」


 そう言い、その場を離れようとすると奥からシグレットがこちらに来て


【シグレット】 「あら、カエル貴方がここまでやられてる何て少しびっくりだわ」


【カエル】 「戦いを見てたなら少しは助けるケロよ!!危うく死ぬところだったケロ」


【シグレット】 「そんなの無理に決まってるでしょう。男の戦いに手を出すなんて無粋な真似はしたくなかったの。それに私はカエルが負けるなんて思ってなかったわ。ターロンと‥女も、鳳華ほうかも途中から見てたけど、あの2人には双子の勇者の娘を助けに行くように伝えました。私以外に、カエルを回復させれないから」


【カエル】 「そうかケロ。オイラも回復したらすぐに向かうケロ。」


【シグレット】 「癒やしの風よ、かの者の傷を癒せ、ヒール。」


 そう言うと、カエルの傷がいえはじめる。


【カエル】 「うん?待て待て先程、ターロンと女と言わなかったか?誰だその女は?」


【シグレット】 「ターロンの戦っていた相手よ。何でも昔頼まれてた人物らしい。詳しくは知らないから、終わったらターロンにでも聞いてよ。さて、はやくいかないと時間結構経ってますから大変でしょう?」


 そう言い、2人はその場所から離れるのであった。そして、残された氷牙の死体の耳から何かドロドロした物が現れ小さい魔法陣を展開しその場から消え、消えたと同時に氷牙の体は粉骨となり、粉骨は風にまいその場から完全に消え去ったのだった。



 〚雛田真昼ひなたまひるサイド〛


 雛田真昼達は、憩いの宿屋に到着するとお酒を飲んでいた勇者本部職員は


【職員】 「雛田真昼様?どうしてこのような場所に」


 それに、雛田真昼の隣にいた仮面をつけた男が


【仮面の男】 「それは、お前達が馬鹿をしたためだ!!ふざけているのか?何故、指名手配書を公開した?」


【職員】  「それは、違うのです、違うのです」


【雛田真昼】 「ちぃ、この宿屋から勇者の子供の魔力を感じない。動いているわ‥。ちぃ、お前達、宿の者たちを生かしておくな。殺しなさい。逃げした人物がいるからね。そうでしょう?受付の貴方」


【宿屋の店番】 (ひぃ、あの人から頂いたこれを使うしかない。) 


 そう言い、御札に魔力をこねるとその場から消え去る店番の人物。


【雛田真昼】 「紅葉くれは‥我々を裏切るのね。なら裏切り者には制裁を」


【】 「真昼様、その役目この私が必ずや叶えましょう」


【雛田真昼】 「では、頼みますよ。私は双子の相手をし捕縛しますから。」


 といい雛田真昼とその横にいた3人は憩いの宿から外に出て空を魔法で飛び、雛田真昼は国を覆う結界を使い誰も外に逃さないようにしたのだった。そして、憩いの宿屋では仮面の人物とその他の精鋭部隊達たちの虐殺が始まり、宿からは悲鳴等が響き渡るも、仮面の人物の魔法で音が外に響く事はなかったのであった。


 その近くに来ていたりゅうは、気配を消す魔法にてその様子を見て


【竜】 「‥雛田真昼の精鋭部隊かなりの手練れか。それに、あれは関係ない人物達もいる。何て事をするのだ。助けたいのは山々だが私は、任を真っ当する。こうでもしなければ、人質にされている家族が殺される。だからごめん‥」


 そう言いドラゴンの翼を広げその場から立ち去り雛田真昼達の跡を追うのであった。

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