第11話

 食事の準備をしている人物が何故か気になり側に行き


【ヨネ】 「あの、何か手伝うことありませんか?」


【女】 「そうね、ならそこにある野菜でも簡単に切ってもらえると助かるわ」


【ヨネ】 「分かりました。あのその、お名前聞いても良いでしょうか?」


【女】 「あれ名前名乗ってなかったかしら?えっとラニよ。貴方の名前はヨネだったかしら?」


【ヨネ】 「ラニさんですか。そうです私はヨネです」


【ラニ】 「いい名前ね。それは誰につけて貰ったの??」


【ヨネ】 「母様です!!確か、誰かの名前から連想したと言ってました」


【ラニ】 「そうなのね。貴方の母親と一度でいいから話して見たいかしら」


【ヨネ】 「‥無理です。母様は、母様は‥アソコに、アソコに私を逃がすために残ったのです。だから‥無理なのです」


 と泣きそうになるのを堪えながら言う。


【ラニ】 「悪いことを聞いたわね‥。最後に1つだけ聞いてもいいかしら?アソコって言うのは何処なの?」


【ヨネ】 「名もなき地の地下空間です」


【ラニ】 「分かったわ。辛いのにごめんなさいね」


 とそこで話は終わり食事が出来た為に3人は食事をし食事後、片付けを終え


【ラニ】 「さて、そろそろ帰ろうかしら。今日は楽しかったわ。また来るわ!!」


【カエル】 「‥分かったケロ。ヨネも喜ぶケロ」


【ヨネ】 「ラニさん、こちらこそありがとうございます!!また、是非来てください。その時はもっとお話がしたいです」


 そうして2人はラニを見送りラニは2人の姿が見えなくなった場所で


【ラニ】 「名もなき地に行って見ようかしら。ヨネについて何かわかるかもしれない。けど隊の仕事あるけど、仕方ない眷属よ私の変わりを務めて」


 と言うと体から眷属が出現しラニの姿に変身し


【眷属】 「お任せ下さい主様。何かありましたら念波を放ちます」


【ラニ】 「了解よ。それと、この辺りの警戒もしておいてヨネに危害が及ばないように。隊長の留守の時は特に気を付けて」


【眷属】 「心得ました」


 とラニは背中から翼を出現させその場から上空な飛び上がり名もなき地を目指すのであった。



 その頃、魔王城のとある場所では幼い女が傷だらけで意識を失いかけており魔族2人に抱えられ投げるように地面に放り投げられ


【魔族a】 「今日はここまでだ。明日もお仕置き部屋に連行するから。いまは休んでろ」


【はなび】 「いゃだ、も、う、痛いのやだ‥しんじゃうよ‥もう、ゆるして」


【魔族b】 「ほざけ。魔王様の言いつけを守れなかった自分の弱さをしれ」


 と2人の魔族はその場から離れる。


【はなび】 「ハクビお父様‥わだじ頑張ったのな、なんで、わだじば、おどうざまにほめで貰いたいだけなの‥」


 と泣きながら意識を失い、しばらく時間が立ち目が覚める。そして部屋から出てもう一度父親のいる場所に向かうと、部屋の隙間が‥少し開いており中から


【ハクビ】 「ほんま使えんやつやの。あれが勇者ルルアンと魔族カルタロスの子かいな。ほんま利用価値もないな。双子の1人を殺さず捕縛し利用しようと思ったんが失敗やったわ。あの時殺すよう言えば良かったの」


【ドロム】 「でハクビさん、あの娘どうするの?」


【ハクビ】 「とりあえず、お仕置き部屋と言うただの憂晴らしが終わった後にもう一度、もう一人の生き残りを探させるんや」


 そんな事を聞き口を抑えながら涙をながし


【はなび】 「えっ?ハクビお父様は私の本当のお父様でない?あの裏切り者をやった時に言ってたハクビは貴女を利用してるだけって言うのが正しかったの??ならわだじ、もじがじでだいべんなごどじだ。いもうどにも‥どうじだら‥ごごにいだらまだ利用される‥どごがに逃げないと」


 と気配を消し魔王城から外に出る。それから夜が明け魔族2人がはなびのいる場所に向かうとはなびの姿がなく


【魔族a】 「あのガキまさか逃げたのか?」


【魔族b】 「魔王様に報告だ!」


 と言うと同時にハクビが部屋に現れ


【ハクビ】 「ご苦労。昨日わざと部屋のドアを開き本当の事を喋ってたから、逃げ出したんやな。けどそれでええんや、行く先はアソコしかないんやから。それに報告では裏切り者は死んでないみたいやからな。なんや邪魔者が入りそいつが幻覚をみせたみたいやからの。あの馬鹿なガキを囮にし裏切り者と邪魔者、そして馬鹿なガキを排除するんや」


【魔族a】 「了解しました」


【魔族b】 「では、変貌させた者達を貸していただきたい!」


【ハクビ】 「そうやな、なら新種を数体と今まで通りの奴を後程、入口に用意しとくわ。新種は実験をしたいみたいやから、連れて行くんや。強さわ折り紙付きみたいやからの」


 といいハクビは姿を消したのだった。

 逃げ出したはなびはと言うと、体中の痛みを耐えながら


【はなび】 「痛いよ‥けど、アソコに行かないと‥追ってもそろそろ来ると思う‥私は死ねない‥妹に謝らないと、私が間違ってたって言わないと。それに‥裏切り者を殺してしまった事を償わないと‥」


 とアソコと言う今はまだ謎の場所に、罠だと知らずに向かうのであった。


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