第10話

 その頃、家に残ったヨネは沢山の本を抱え机に置き椅子に座り


【ヨネ】 「読むぞ!!」


 と真剣に本を読み始め


【ヨネ】 「えっと、なになに」



[[魔法は言葉を発するだけでは発動することは出来ない。発動するにはその魔法のイメージが必要で、例えば燃えよ爆炎では燃えるイメージが必要。どの様に燃えるか燃える威力はどれくらいか等であるか]]


【ヨネ】 「イメージか‥つい先程魔法が出なかったのは何も考えてなかったからなんだ。他には」


[[但し、強力なイメージをしたからと言って強い魔法が放てる訳ではない。確かにイメージで強力な魔法は放てるが結局は自分の魔力量とイメージした事を自分で制御できるかである。考えてみて欲しい強い魔法を放つもそれの継続時間が短ければあまり意味がないしそもそも継続時間が短ければ避けられればもともとこうもない]]


【ヨネ】 「確かに言われて見ればそうかもしれない。魔法て奥深いな‥。まだ何かあるかな?」


[[魔法にも沢山の種類があるが、その中で限られた者、その領域に踏み込んだ者、選ばれた者にしか使えない魔法がある。いい例を上げると精霊魔法、契約魔法、死霊魔法、勇者魔法、奴隷魔法、洗脳魔法が挙げられ。またこれ以外にももしかすると記述されていない魔法も存在するであろう]]


【ヨネ】 「魔法にも沢山の種類があるんだ!!けど私には夢のまた夢の魔法だな。とりあえずこの本の続きはまた読もう。次はこの本を読んで見よう」


 と別の本を取り読み始める


[[魔法はこの世界では当たり前の様に使われているも、魔法適性がなく使えない人達もいることを知ってるだろうか?]]


【ヨネ】 「えっ?魔法適性がないと魔法使えないの??私はどうなのかな?」


[[魔法を使えないから、駄目だと思うかもしれない。だが魔法が全てではない事を知って欲しい。魔法は確かに便利で戦いにおいても有利かもしれない。だが、魔法には弱点が存在している。魔法が発動出来ない魔法無効化地帯や魔法を封じる道具、魔力核と呼ばれる体内で魔力を生み出す物をを破壊されれば2度魔法を使うことは出来なくなる。]]


【ヨネ】 「そうなんだ。魔法が使えるだけでは駄目なのね‥」


[[ちなみに魔力を持たない人の為に魔力を込められた武具や道具も最近では増えて来ている。]]


【ヨネ】 「なら魔力がなくてもそれを使えばいいのね」


「「さぁ、ここからは自分に魔力適性があるかどうかを知る方法だ。まずは目を瞑り心臓の上辺りに意識を向ける。向けると何かを感じる筈だ。その何かを感じなければその人には魔力が無いこととなる」」


【ヨネ】 「成る程です!!なら試してみる」


 と本を閉じて椅子にて目を瞑るヨネ。


【ヨネ】 「心臓の上辺りに意識を向ける。向ける。向ける。うん?これかな?なんだか白と黒い塊のようなのがみえる。これが魔力適性があると言うことなのかな?」


 目を開ける。そして眼の前にあった鏡が目に入り自分を見て


【ヨネ】 「えっ?何これ?えっ?」


 と言い恐る恐る自分の頭に生えてる小さい角を2本触り


【ヨネ】 「硬い。それに取れない‥何なのこれ??これが魔力適性あるってことなのかな?けどなら、カエルさんがあの顔になってるのってこのせいなの??」


 そのまましばらくすると角は消え去り


【ヨネ】 「消えた。何だったんだろ今の角は??気にしてても仕方ないよね。それよりも‥何だか眠くなってきた‥おかしいな、本の読みすぎかな、部屋に帰って寝ないと、けど‥ヤバいぐらい眠い」


 と言うと机に伏してそのまま眠りにつくヨネであった。


 そしてヨネが眠りに入ってから少ししてカエルが家の前に到着するなり


【カエル】 「なんだケロ?家の中に魔力を感じるケロよ!!ヨネなのかケロ?けど今までに感じた事のない魔力。」


 と呟き警戒しながら家の中にはいると、机に伏して寝ているヨネを発見し辺りを警戒するも何もないために


【カエル】 「‥誰もいない。それならこの魔力はなんだケロか?とりあえず、ヨネが起きてから何かしたのかを聞いてみるケロか」


 布団を持って来てヨネにかけカエルは床に胡座をし瞑想に入るのであった。その一方で、女もまたヨネの事が気になりカエルの家から少し離れた場所に転移してきて


【女】 「ここからなら隊長の魔力探知範囲は届かない筈よ。それよりも‥何かしらこの魔力?隊長の家から?とりあえずこの魔力を色々な人に知られると何かヤバいかもしれないわね。隊長これは借りですからね」


 地面に手を触れ


【女】  「魔力遮断結界発動」


 と言うと辺りに薄い目には見えない結界が貼られる。


【女】 「とりあえず、これで大丈夫なはずだわ。あの娘がますます気になるわね‥」


 カエルの家では


【カエル】 「‥結界?それも魔力遮断のケロ。誰がこんな事をケロ?始末してもいいケロが‥もしかするとこの魔力が知られるとヤバいから貼ったのかもしれないケロ。少し様子を見ることにするケロよ」


【ヨネ】 「‥母様‥母様‥私が‥私が‥」


【カエル】 「寝言ケロか。アルガナ、お前が死んだなんてオイラは信じてないケロよ。お前が託されたんだろヨネを?それをオイラに託すな馬鹿娘が‥」


 と呟き再び瞑想に集中するカエルであったのだった。数時間後


【ヨネ】 「ふわあぁあぁあ!!!良く寝たって私こんな所で寝るなんて‥」


【カエル】 「ようやく起きたケロか?聞きたい事が‥あるが先に晩飯にするケロよ」


 カエルが立ち上がり支度をしようとするとノックが聞こえカエルが出るなり小さい声で


【カエル】 「何の様だケロか?」


【女】 「特に用はないのですが、たまには一緒にご飯でもと思いまして!!いつも同じ様なご飯ではつまらないでしょう?」


【カエル】 「それだけかケロ?」


【女】 「それだけですよ。何を警戒してるの??もしかしてその娘が何か関係あるのです?」


【ヨネ】 「カエルさん?その女の方は??もしかして私お邪魔でしょうか?部屋に戻ってましょうか?」


【カエル】 「本当にわからん奴め‥仕方ないなら何か作ってくれケロ。ヨネ、大丈夫この人はオイラの知り合いだケロ。仕事を持って来たかと思い小声で話してたケロ」


【ヨネ】 「そうなのです?」


【女】 「そうそう、隊じゃなかった、カエルさんの仕事仲間です!!いつも同じ様なご飯だからこうしてご飯を作りに来てるのよ。えっと確かヨネちゃんよね?よろしくね」


【ヨネ】 「えっあっはい!よろしくお願いします」


【女】 (とりあえず、仲良くなってそれとなく聞いてみる事からはじましょうか)


【カエル】 「変な真似はするなケロよ。まだオイラの正体は話してないケロから」


【女】 「了解です隊長。」


 と言うと女は台所に向かい食事の準備を始めるのであった。



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