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 やっと届いた。


 目の前の私がやっと振り向いた!


 そう思って、挨拶代わりに笑顔を咲かせる。けど、ちょうどのタイミングで私は地面に吸い込まれてしまう。視界が硬い固い地の底へ広がって、体の感覚も縫うように滑らかに下の世界へと潜り込んでいく。


 しばらくして、少し離れたところから私はひょいと顔を出す。

 もう、目が合うことはない。

 また距離ができてしまった。


 ねえ、

 か細い声が、何度目かもわからずに喉を通る。

 依然、振り向くそぶりは見せない。

 ゆっくりと歩みを進めて、もう一度言う。

 ねえ。


 私を避け続ける貴方はいったい誰なの?

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