第5話


 「おはよー、カスミ」


 「うっす」



 アパートの階段を降りると、幼馴染の詩織(しおり)が立っていた。


 草薙詩織(くさなぎしおり)。


 湘南神楽のメンバーの1人であり、私と同じ3番隊のメンバー。


 約300年以上に歴史を持つ古流剣術「草薙流剣術」の次期当主であり、いつも木刀を持ち歩いている。


 私の“相棒“でもある。



 「ねえ、これから海行かない?風に当たりたくてさ?」


 「この格好見てわからない?これから学校」


 「何クソ真面目なこと言ってんの?らしくないじゃん」


 「先週サボってたから、今週は休みたくないの」


 「ハァ…。しょうがない。じゃあ乗せてってあげる」



 詩織は黒いタンクトップ姿で、肩にはバカでかいヘッドフォン。


 掻き上げた前髪をポリポリしながら、スマホをイジってた。


 片膝を曲げ、ローウェッジのサンダルを壁につけている。


 人ん家の下でタバコ吸うなっつーの。


 アンタのせいでこの前怒られたんだからな?


 「タバコを吸わせるな」って。


 ここの大家さん厳しいんだから。


 

 

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