第4話



 彼と一緒に暮らし始めてもう半年が経つ。


 最初は色々あったけど、今じゃもうすっかり慣れてきた。


 お互い学校の時間が違ったり、バイトの時間が違ったりですれ違いが多くて、中々一緒にいる時間は少ない。


 それでも最初の頃からずっと楽しくて、つい家に帰りたくなっちゃう自分がいた。


 ご飯の支度とか、お風呂の掃除とか、一人暮らしの頃は考えられなかった。


 そもそも炊飯器もなかった。


 彼に色々教わるまでは、米の洗い方もわからなかった。


 「無洗米」って言葉でさえ。



 バイトも始める気はなかったんだ。


 でも、彼がどうしてもって言うから。


 「お金」なんて他人から奪えば良いと思ってた。


 兄貴が元暴走族の総長だったんだが、関東連合との抗争でサツに捕まって、今も服役してる。


 兄貴のチームは「横浜連合」の傘下に所属するグループで、名前は「湘南神楽」。


 ダサい名前で私は好きじゃない。


 どうせならもっとぶっ飛んだ名前とか、可愛い名前が良い。


 とは言っても、私の一存じゃあね?

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