第8話

ベッドの中で一哉に尋みた。

ラバースーツを着る着ぐるみって、もう出来てるの?

すると、一哉は頷くとパンツだけ履いて部屋を出て行っちゃったの。

その間に私は部屋着まで着て、ベッドに座って待たんだけど、なかなか戻ってこない。


テレビでも見ようかと思ったその時扉が開いて、お待たせの声と共に一哉が戻ってきた。

手には小さなピンクの物体と黒いラバースーツらしきものも、でも何か違う。


黒いものを広げると、手足の短いスーツ?

素材は合皮っぽい。


ピンクの物体、これが着ぐるみだがこれも手足が短い。

全身にテカリがあり表面はビニールのようにも見えるが、触ると弾力がある。

名前はピンキーと名付けたんだって。


可愛らしい顔が描かれている方が前。

それは分かるし、あの手足の短いスーツを着て着ぐるみに入るのもなんとなく理解はできたんだけど。

顔の上の頭の天辺が大きく開いているが、ファスナーなどはない、なぜ?

製作の途中と思って聞いたんだけど、一哉はこれで完成という。

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