第5話

リアルカエルの着ぐるみはどうやって着るかっていうと、カエルの口の上部分にファスナーがあり開くと着ぐるみの中への扉が開かれるの。


足から入っていくんだけど体の部分には若干詰めモノがあり、脚は殆んど私の足。

だから触られれば、すごく敏感に反応してしまうの、もちろん腕も。

中に入ると詰めモノが私を丁度いい位置に固定してくれる。

あとは一哉がカエルの口のファスナーを閉めれば完成!


私はというと口の下に開いている小さな穴から外を伺い、お客さんが来たらカエル用に作った小さな傘を挙げてアピールする。


いつものように私んちの店頭で、カエルとして振る舞っていたが、一哉がいつもより早めに迎えにきた。

私の父親に事情を説明した後、私の耳元で帰るよと声をかけて台車に載せたの。


私はラバースーツの中で熱が篭り、いつもより汗をかいていたので、内心助かったと思っていたわ。

しかし、まさかあんなことになるなんて!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る