第十六集 閉鎖
やはり、と思った途端に足の力が抜けて、
「なぜ天子直属の
勢いに任せた
「君は前へ出るな」
「
「自分の立場を考えろ。君が出ては、事が大きくなり過ぎる」
公爵家の
後ろへ追いやった世子と場所を入れ替わるかたちで、
「わたしは
わざとらしいほどの丁寧な仕草で、しかし決して
この場での指揮官とみられる司卒は、
「
「茶坊まで閉鎖を? 一体なにが起きて――」
「捜査に関わることはお伝えしかねる」
二階へ駆け上がってきた司卒によって、
「言う通りに出ていくから、乱暴はよしたまえ」
出口へ向かう途中で、
一体なにごとかと集まった人垣を割って、河沿いの通りを
もどかしい思いで見送るしかできないでいる彼らのもとへ、
「世子、二公子!
狼狽えて二人の前に膝をついた
「
「
「
そうした彼らのやりとりを数歩後ろから見ながら、
『
だが、今の
善良な
「……
思考が口をついて出た。ごく小さな呟きだったので、誰も反応は示さない。
隣に立つ
「二兄上。
すぐに振り向いた
「そうだな。
顔を正面に戻した
「
「わたしも行こう」
間髪をいれず、
「しかし、
「
「まったく、君は……分かった。国公世子のお力を借りるとしよう」
「わたくしも行くわ」
ところが
「駄目だ。
「でも……」
「
冷静さを保って今後の事態を想定する
もどかしさで
「安心しろとは言ってやれないが、なにがなんでも
「急ぐぞ、
もう一度だけ念押しするように言って、
その場に残された
胸の内は炙られるような焦燥感で息苦しいほどなのに、
運命にあらがう困難さに
たとえ『霜葉紅』の通りに見えても、
霜葉茶坊でなにか変化があれば報せるよう女将に頼んで、
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