第4話漫画みたいな事
ケイゴはいつもの様にミラを車で学校まで送る。ミラは校門でいつもの様に車から降りて、昇降口へ向かう。ただ普通に歩いていた。ただ、ただ普通に。なのに…。
「…?何か今日の学校は臭うなぁ。」
急に臭くなる周囲に異変を感じるミラ。
(畑の肥やしかしら?)
そんな事を思いながら昇降口で靴を脱ぐ。靴を仕舞う為にしゃがみながら後ろを向く。すると、自分の足跡が点々と付いている。
「???泥?」
ミラは靴を持ち上げる。するととんでもない臭いが。
「!!!くっさぁー!」
ミラが歩いたのはほんの1分。距離にして100mも無いくらい。その短い間に犬の…を踏んでしまったのだ。ミラは固まる。そして無表情でケイゴに電話を掛ける。学校内でケイゴとの通話は禁止されている為、ワンギリする。暫くしてケイゴが急いで来る。
「華峯さん、こんなとこ《昇降口》で固まってどうしたの?」
ミラは無言で汚れた靴を差し出す。その臭いに状況を把握し、凄い目で見てくる。そしてミラに耳打ちする。
「貴方は…何で100mも無いのに犬の…なんて上手に踏みますねぇ。何をやってるんですかねぇ。」
ケイゴは嫌味を言いつつも、ミラの靴を男子トイレに持っていき、底を綺麗に洗ってくれる。ついでに床についた足跡もちゃんと掃除してくれる。
「もう踏まないでくださいよ。」
そう言いながら靴を返して去って行くケイゴ。
その優しい一部始終を目撃した生徒によって、瞬く間に広まり、ケイゴの人気がより強くなった。
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