とある部族の秘術についての覚書

華川とうふ

カップラーメンの正しい使用方法について

 カップ麺を正しく使用するには三分以内にやらなければならないことがあった。

 まず、大事なことは湯切りである。

 断っておくが、カップ焼きそばではない。

 間違いなく、正真正銘カップ麺の話をしている。

 そもそも、世の中の人々のカップ麺の使用方法は誤っている。

 カップ麺は食品ではない。

 食品としても使な軍事兵器である。

 カップ麺の主成分である、小麦粉、植物油脂、動物性エキスなどの組み合わせというのはアフリカで二番目に長い川の流域の部族に伝わる秘術によく使われる材料と一致していた。

 その部族が今もなお、昔と変わらない生活をしているのはその秘術のおかげである。


 その秘術というのが、全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れを呼び寄せることができるのだ。


 その部族はコンゴ川流域にも関わらず、未開の地となっているのはそのためである。

 その部族はよそ者が交流などを交渉しようものならば、その秘術を発動させて部族の村およびその異分子を含めてバッファローの群れによって文字通り破壊し、自らが存在したという痕跡もろとも消し去るのだ。


 私が偶然にも彼らの秘術を知ることになった経緯についてはここで語るまい。


 そう、それよりも今日知っていただきたいのはカップ麺の正しい使用法についてである。

 カップ麺は食品として日本で開発されたにも関わらず、不思議な偶然の一致でとある部族に伝わる秘術の材料と主成分がほとんど一緒なのである。


 その秘術の使い方は簡単だ。

 ちょうど、手元にカップ麺もあることだしやって見せよう。

 手順はほとんど普通のカップ麺と一緒である。

 湯を沸かし、カップに注ぐ。(実際に部族の秘術では、木でできた筒にあらかじめ水で練って補足伸ばし乾かし油を塗りつけた小麦粉や動物の血などがはいっている)

 そして、全体に湯がいきわたったところで、湯切りをする。

 そう、容器にいくつか小さな穴をあけ、湯を切るのだ。


 すると、ほら向こうからバッファローが……


       全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れが来たためここで通信は終了した

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とある部族の秘術についての覚書 華川とうふ @hayakawa5

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