第31話 私と競輪㉛

しかしながら、一週間後には高梨さんに振られてしまい、私は競輪選手ですので、

選手に専念する事にしました。

それでも、諦めきれずにいたある日、たまたま立ち寄った書店で、

一冊の女性向け雑誌を見つけ、手に取って読んでいると、

そこに載っていた記事の中に、気になる内容がありました。

その内容とは、失恋からの立ち直り方について書かれたもので、

主に、以下の3つに分けられていました。

1つ目は、新しい恋を探す事。

2つ目は、自分自身を見つめ直す事。

3つ目は、自分の欠点を受け入れる事。

という内容でした。

この中で、私が選んだ方法は、2つ目の方法、つまり、自分自身を見つめ直す事でした。

理由は単純明快で、今の自分のままだと、いつまで経っても前に進めないからです。

それに、いつまでも過去の事を引きずっている自分が許せなかったからです。

その為、私は、すぐに行動を起こすことにしました。

まず、最初に行った事は、これまでの自分を振り返るということでした。

なぜ、自分はこんなにも辛い思いをしなければならなかったのか、

その理由を突き止めたいと思ったからです。

そのために、これまでの出来事を全て書き出し、

一つ一つ丁寧に読み返してみることにしました。

そうすると、見えてきたのは、私自身の姿でした。

いつも明るく振る舞っていながらも、内心では、

常に不安を抱えていたり、嫉妬深い一面を持っていたりと、

醜い部分が浮き彫りになってきたのです。

そればかりか、他人に対して高圧的に接したり、

上から目線で物を言ったりする傾向があり、

とても褒められたものではないという事がよくわかりました。

これらを踏まえた上で、今後どのようにすれば良いのかを考えてみました。

その結果、分かったことがあります。

それは、自分に足りないものがあるということ、

そして、それを補っていく必要があるということです。

具体的に言えば、コミュニケーション能力の向上、

礼儀作法、そして、気配り力など、様々な要素が必要となります。

これらを身に付けるために、まずは、日常生活の中で実践することから始めていこうと考えています。

具体的には、挨拶やお礼の言葉を欠かさず言うこと、相手の話を最後まで聞き、

共感を示すこと、笑顔を絶やさないことなどを意識していくつもりである。

また、言葉遣いに関しては、丁寧な言葉を心がけること、

敬語を使うこと、相手を敬う気持ちを持つことなどが重要であると考える。

これらの点を意識しながら、少しずつでもいいから、改善していきたいと思う。

他にも、私生活面においては、規則正しい生活習慣を確立し、

バランスの良い食生活を心がけることで、健康的な体作りを目指すとともに、

適度な運動を取り入れることで、体力向上を図ると共に、

ストレス解消法を見つけることによって、精神的な安定を保つことも必要だと考えている。

また、睡眠不足にならないようにするために、十分な睡眠時間を確保することや、

質の良い睡眠をとるためには、就寝前の過ごし方が重要となる為、

入浴やストレッチなどのリラックス効果のある行動を心掛けることが必要である。

その他にも、美容面では、肌荒れを防ぐ為に、しっかりと保湿を行うことはもちろんのこと、

美白効果のある化粧品を使用することによって、透明感のある美しい肌を手に入れることもできるだろう。

更に、メイクに関しても、流行を取り入れたり、自分に似合う色味を選んだりすることで、

見た目の美しさを向上させることが可能となる。

以上のように、多角的な観点から総合的に取り組むことにより、

理想とする姿に近づくことができるはずだと信じ、今後も精進を重ねていく所存である。

そんなある日、私は、高梨さんに呼び出され、人気のない場所へ連れていかれました。

そこで告げられた内容は、想像を絶するものでした。

「私と競輪選手として勝負してよね」

「えっ、どういうことですか?」

突然の申し出に困惑していると、続けてこう言いました。

「もちろん、ただの勝負じゃないわ。

負けた方は、勝った方のいうことを聞くっていう条件付きよ」

その言葉を聞いた瞬間、背筋が凍りました。

なぜなら、私には、どうしても叶えたい夢があるからです。

こんなところで負けるわけにはいかないのです。

そう思った私は、即座に返事を返しました。

「分かりました、受けて立ちましょう!」

こうして、私たちの真剣勝負が始まりました。

最初のレースでは、スタートダッシュに成功し、

先頭に立つことに成功しましたが、その後の直線で失速してしまい、結局、負けてしまいました。

2戦目も同様に、序盤は良かったものの、中盤以降、スタミナ切れを起こしてしまい、

またしても敗北を喫してしまいました。

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