第30話 私と競輪㉚
この後、どこに行くのかはまだ決めていませんが、
どこに行っても楽しめる自信があります。
これからの予定としては、まず昼食を食べるためにカフェへ行き、
その後はゲームセンターに立ち寄って遊んで行く予定になっています。
その後は、映画館に行って映画を見るつもりです。
その後は、ディナーを食べて解散という流れになりそうです。
果たして、どのような一日になるのでしょうか?
今から楽しみで仕方ありません。
そんなことを考えているうちに、目的地に到着しました。
そこは、最近オープンしたばかりのカフェで、店内はとても綺麗で落ち着いた雰囲気に包まれています。
窓際の席に案内されると、メニュー表を見ながら何を注文するかを考えます。
お互いに食べたいものを一つずつ選び、注文することにしました。
数分後、料理が到着しました。
どれも美味しそうなものばかりで、選ぶのに苦労しましたが、
最終的には、二人とも満足できるものを選ぶことができたと思います。
食事を済ませた後、いよいよメインイベントであるゲームセンターへと向かいます。
中に入ると、様々なゲーム機が設置されており、どこを見ても目移りしてしまいます。
そんな中、最初に見つけたのは、ダンスゲームでした。
早速、挑戦してみることにします。
結果は、惨敗でした。
何度やっても、うまく踊ることができません。
悔しい気持ちでいっぱいになりますが、諦めるわけにはいきません。
次こそは、必ずクリアしてみせるという強い意志を持って、再度挑戦することにしました。
そうすると、今度は意外とあっさりクリアすることができました。
やったー、ついに達成することができたのです。
嬉しくて、つい飛び跳ねてしまいそうになるほど、感動的な瞬間でした。
その後、他のゲームに挑戦してみたり、UFOキャッチャーをしたり、
プリクラを撮ったりと、存分に遊びつくしました。
最後は、カラオケボックスに行き、二人揃って熱唱しました。
歌い終わった後は、すっかり喉が枯れてしまったほど、大盛り上がりでした。
こうして、充実した一日を過ごすことができたことに感謝しつつ、ディナータイムに突入しました。
予約しておいたレストランに到着すると、個室に案内され、二人きりの時間を過ごせることになりました。
緊張しながらも、お互いに近況報告をし合い、会話を楽しむことができました。
特に印象に残ったのは、お互いの趣味について語り合ったことです。
彼女と私はどちらも競輪選手なので、必然的にレースやトレーニングの話が多くなります。
中でも、一番盛り上がった話題といえば、やはり、高梨さんの恋愛事情についてでしょう。
彼女曰く、今は特定の相手はいないらしく、フリーとのことでした。
それを聞いた瞬間、心の中でガッツポーズを決めたことは言うまでもありません。
さらに、彼女が片想いをしている相手についても聞くことができ、それが誰なのかも教えてもらいました。
どうやら、その人は、同じチームに所属する先輩選手らしく、高梨さんの憧れの存在なのだとか。
そんな話を聞いているうちに、次第に不安が募ってきたのですが、ここで諦めるわけにはいきません。
どうにかして、彼女に振り向いてもらえるよう、努力しなければいけません。
そのための第一歩として、まずは、連絡先を交換するところから始めることにしました。
幸いにも、彼女のスマホには、既に私の番号とアドレスが登録されているようで、
すんなりと連絡を取ることができました。
そして、その日の内に、何度かメッセージのやり取りを行うことができたのです。
また、通話アプリを使って、直接話をすることもできました。
これによって、彼女との親密度を上げることに成功したと言えるでしょう。
ただし、一つだけ問題があるとすれば、
それは、高梨さんが私のことをどう思っているかという点です。
今のところ、嫌われてはいないと思いますが、
異性として意識されているかどうかについては、正直自信がありません。
とはいえ、何もしないよりはマシだと思うので、
これからも積極的にアプローチを掛けていくつもりでいます。
そして、いずれは必ず、彼女を振り向かせてみせます。
覚悟しておいてくださいね、高梨さん。
ある日の夜、練習を終えて帰宅する途中、偶然、高梨さんとばったり出会いました。
お互いにびっくりした表情で見つめ合ってしまい、
気まずい空気が流れ始めたところで、ふと、あることを思い立ち、
思い切って声を掛けてみることにしました。
それは、明日の休日、一緒に出かけないかというお誘いです。
最初は驚いていた様子の高梨さんでしたが、少し考えた後、了承してくれました。
約束を交わした後、別れ際に、去り際に呼び止められ、
振り返ると、頬に軽くキスをされてしまいました。
一瞬の出来事だったので、何が起こったのか理解できず、呆然としたまま立ち尽くしてしまいました。
それからというもの、その日の出来事を思い出しては、悶々とした日々を送ることになってしまったのです。
おかげで、夜も眠れず、寝不足気味になってしまいました。
そんな私を心配して、チームメイトの仲間たちが声をかけてくれました。
皆、私の悩みを聞いてくれた上で、アドバイスもしてくれました。
その中でも、特に心に残ったのは、高梨さんのタイプについての話です。
高梨さんは、年上が好きらしいという話を聞き、
俄然やる気が出てきた私は、早速、行動に移すことにしました。
まずは、年上の女性としての魅力を高めるべく、自分磨きに励むことにしました。
例えば、化粧の仕方を変えたり、服装のバリエーションを増やしたり、
言葉遣いに気をつけたりと、できる範囲で改善に努めると同時に、
大人の色気を出すための仕草なども研究するようにしました。
そのおかげもあって、以前よりも、より魅力的になったのではないかと自負しています。
次に、内面的な部分においても、より一層磨きをかけることにしました。
具体的には、教養を身につけるための勉強を始めたり、
マナー教室に通い始めたりと、 色々な努力を積み重ねていった結果、
徐々にではありますが、確実に成長できている実感を得ることができたのです。
最近では、高梨さんから食事に誘われることも増えてきたので、
その度にドキドキしながら出かける日々を送っています。
ちなみに、先日、高梨さんと一緒に行ったレストランで食事をした際、
デザートを食べ終えた後に、不意にキスをされた時のことを思い出し、
今でも顔が熱くなるのを感じるほど、鮮明に記憶に残っているのです。
あの時は、本当に驚きましたし、嬉しさのあまり泣いてしまったほどです。
ただ、それと同時に、恥ずかしさもあって、まともに顔を見られなかったことも覚えています。
また、後日、高梨さんから告白されたことで、正式にお付き合いすることになったことも忘れてはいません。
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