第4話 because I miss you〈下〉
ポップコーンをシェアして、翠はオレンジジュース、春はソーダ水といった具合にそれぞれがドリンクを注文した。
問題はどの作品を選ぶかだった。
映画館についたのは十七時半を過ぎた頃で、そうであるなら十八時前後に上映回があるタイトルに選択肢は限られてくる。
留年しているとはいえ翠はまだ高校生だ。最低でも終電には間に合うように返さないといけない。
「この時間だと、三、いや四作品くらいに絞られるけど、翠さんはどれが観たい? なにか興味のある映画があるならそれにしよう」
上映中作品のポスターとモニターに表示されたラインナップを見比べながら、春は翠の様子を伺う。
翠は思いの外真剣に上映作品を吟味しているようで、春の視線には気づいていないらしい。
本当に無防備。自分から攻めてくるタイプなのに、脇が甘い。
そういうところが可愛らしく思えて、春は軽はずみに誘ってしまったことを少し後悔した。
相手は年下の子どもなんだ、と実感して。
「あ! おれ、あれがいいです」
「ん。どれ?」
「五十分からのやつ。9番スクリーンの」
翠が指をさした作品のタイトルを見て、春は一瞬ぎくりとして固まってしまった。
それはよりにもよって主要登場人物の一人が吸血鬼のホラー・ラブストーリーだった。北欧で撮られた作品らしく、仄暗いトーンの画面とシリアスでダークな物語で、本来であれば嫌いではないジャンルではあるのだが。
「その……念のため、選定理由は?」
「うん? けっこうしっかりしたホラーだし、ちょうど最近気になってる監督の作品だからですが。それにヒロインが吸血鬼ってところが設定として美味しいと思うから」
「そう、ですか」
「他のにしますか?」
「え。いや、大丈夫です。それを観ましょう」
ぎこちない春の返答に少し怪訝そうにしながらも翠は満足そうに頷いた。
いや、美味しいって。
そんなに美味しくいただけるほど愉快なものじゃないですよ、吸血鬼。
内心で謎のツッコミをいれながら、開場のアナウンスを待つ。
「そういえば、門限とかは大丈夫ですか。この前はええと、お姉さん? と一緒だったけど」
葬式で会ったとき、翠には年嵩の女性が付き添っていた。翠とは雰囲気の違った美人だったが、翠の態度からしておそらくは姉妹であると思われた。
「それは平気。うちは姉と二人暮らしで、姉さん……朱美っていうんですが、そんなに厳しくないから。同級生と遊んで帰るから遅くなると伝えてあります」
「いや……それ、嘘吐いて出てきたってことでしょ」
「同級生ってところ以外は本当じゃないですか。嘘には真実を混ぜるといいんですよ。知りませんか?」
「そういうことではなくて」
「まあ、男のひとと会うって言った方が姉さんは喜んだと思います。いつもおれが彼氏の一人も作らないでぼうっとしているってうるさいから」
「どういうお姉さんなんだ」
「かっこよくて立派な姉ですよ。おれのこと、面倒くさがらないでみてきてくれたし」
翠はそう言って、苦味を含んだ微笑みを浮かべて見せる。
姉と二人暮らしということは、いつの頃からか時期はわからないが、その姉に育てられてきたということだ。
思うに翠はなにか病を抱えている。それは間違いないだろう。その翠を育てながら自身も自立して暮らしている。それがどんなに大変なことかは想像に難くない。
「……たしかにそれはそうだな。相当美人だったし」
「いきなりなに! ちょっと、おれは!?」
「翠さんはタイプが違うから。どちらかと言えば可愛い系じゃないですか? アーモンド型の瞳は大きいし、頬はふっくりして色白で。今日はナチュラルだけどお化粧もしていますね。うん、やっぱり女の子らしいですよ」
「なッ……なんッ、なんなのもうっ!」
揶揄われたと思ったのか、翠がばしばしと春の腰を叩いてくる。
そうやって慌てて困っている顔が可愛いと思うのは些か嗜虐的だろうか。
『大変おまたせしました。これより十七時五十分上映、9番スクリーンの入場を開始いたします。チケットをお持ちの方は入場口までお越しください』
そこでアナウンスが掛かり、二人はチケットを確認すると入場口に並ぶ客たちに続いた。
チケット確認の列に並ぶ間、頬を赤くした翠は口を聞いてくれなかった。
映画の内容自体は意外にも満足のいくものだった。
翠のセンスは悪くないらしい。
登場人物の死や別離、あるいはストーリーの起伏とは関係なく、春自身の体験や感情と重なって、不覚にもいくつかのシーンで涙が溢れてしまうことがあった。
……ハンカチを取り出すのも、目元を拭うのも泣いていることを翠に気取られてしまいそうで、春は仕方なくそのままにしておいた。
本編が終わる頃にはどうせ涙も乾いている筈だ。
それに、だいたいこれは翠が観たいといった作品だ。それでは当の翠はどんな様子で観ているのだろう?
やられっぱなしは嫌だった。
だから少し意地悪を働くような心持ちで、バレないように右隣に座った翠の方に視線を向ける。
少女は真っ直ぐにスクリーンに視線を注ぎ、涼しげで凪いだ横顔をしていた。その眦からは大きな涙の粒が次から次へと溢れていた。
翠と春は同じ映画の同じ場面で泣いていた。
一瞬、驚きで目を丸くして、春はすぐにスクリーンに視線を戻す。
――ああ、本当に、この子は。
見てはいけないものをみてしまった気持ちになると同時に、空っぽだった臓腑をあたたかな何かが満たしていくような得難い感覚に囚われる。
ふわふわとした酩酊感に似たなにか。
その正体を探しあぐねている間に、映画は終わってしまった。
§
「もう最高でした。ラストが少し報われない感じがしたけど、あの監督の作品の中ではダントツでよかった。その……パンフレットまで買ってもらっちゃって、ありがとうございました」
「いえ。喜んでもらえてよかったし、僕もけっこう面白かったから」
「そう、ですか。ならよかった」
映画館を出ると、午後八時を回っていた。
解散には早いが、ポップコーンを空にしたあとで、夕飯を取るには少し胃が重たい。二人の意見は手近なカフェに入ることで一致した。
映画館は駅直結の商業施設の中に入っているため、ダイニングが集中しているフロアに行くと、すぐに空席のあるカフェを見つけることができた。
こじんまりとした店内、奥の方にある向かい合わせの席に座った二人は先ほど見終えた映画の内容について議論していた。
「だからね、ヒロインが彼と別れたあと、最後に夜明けの海に行くのがなんだかなぁって。あれって、つまり自殺ってことでしょ」
「そうなるね」
「陽の光の中では生きられないことがわかっていてああするって、ちょっと悲劇みたいで虚しいなあって。彼と一緒に生きる道もあったかもしれないのにね」
「だけど彼女はそれを敢えて選ばなかった。多分、きれいなままで全部もっていくことに決めたんじゃないかな。そうなら、あのラストはなにも悲劇だとは限らないよ」
「ほほう。春さんはけっこうロマンチストなんですのう」
「……じゃあ翠さんは
「女の子はけっこうな確率で根が暗いものなのですよ? だから、部屋で一人になって、鏡の前や寝床でふと気づくの。もうぜんぶ終わりかもしれないって、ね」
フォンダンショコラをフォークでつつきながら、翠が言う。
映画の内容になぞらえているのだろうが、それは翠自身のことを吐露しているようでもあった。
「……まだ若いのに」
「残念。もう十八歳ですよ」
「十八は若いよ。それにさっき、おれはまだ子どもですねっていってたじゃない」
「それはそれ、相手によってはっていう比較の話ですよ。……春さんはさっきからおれの話を聞くばかりで、自分の話はあまりしないのですね」
「そうかな? 職業柄、聞くことの方が得意なもので」
「でも、今はお仕事じゃないでしょう。それじゃ、ちょっとずるいです。フェアじゃない」
確かに今日は翠の方が多く自分の話をしている。姉のことや、足の具合、年齢や学年について。
対する春が明かしたのはせいぜい年齢くらいだろう。
「だから、ゲームをしませんか?」
「ゲームって?」
春の返しに、翠は謎めいた表情になった。
「簡単です。春さんがおれに質問をして、おれが三つ秘密を打ち明けたら、自分も同じように三つ秘密を打ち明ける。自己開示の基本プロセスですよ」
翠は指を組んでみせ、不敵に微笑む。
「でも嘘はだめですよ。相手がきちんと答えたら、自分も必ず秘密を打ち明けること。どんな些細なことでもいいので。今日は三つだけで勘弁してあげます」
「そんなくだらない遊びには乗らないっていったら?」
「おれももう自分のことは教えてあげません。たとえば春さんは、さっきの映画、主人公が夜明けの街をひとり踊るように帰っていくところで泣いていましたね」
「なっ、んで……! ていうか気づいていたんですか、それ」
「おれも同じ箇所で泣いたから。だからつい春さんはどう観ているのかなって盗み見たら……ついでに春さんが同じようにおれの顔を見ていたことも知っています。覗きが趣味だなんて、案外むっつりスケベなのですね」
「……驚いた。翠さんの本性は案外性悪なんだな」
翠はその言葉にふふふ、と意地悪そうな笑みを浮かべて見せた。
「ほら、ね。断ったら、こういう自分の秘密を知ることもできなくなっちゃいますよ? どうする? バーテンダーのお兄さん」
氷の溶けかけた水のグラスをつい、と白い指がなぞる。
翠はとびきり婀娜な笑みを浮かべて春を誘っている。
「はあ、しょうがないな。もう……」
「やった。ちょっと藪から棒だったから、出血大サービスでそっちが先攻でいいですよ。どんとこいだ!」
そう言って胸を張る翠に、春は何を質問しようかと考える。
聞きたいこと。聞いておくべきこと。否、おそらく翠が聞いてほしいと思っていることを単刀直入に聞くべきだと判断した。もうアイスブレイクはとうに済んでいる。本題からいくべきだ。
「じゃあ聞くけど、君ってどんな病気を患ってるの? 初対面のときは車椅子を使っていたし、さっきのお姉さんの話もある。僕にも配慮が必要ならばいってほしい」
「あは。いきなりそこ聞いちゃう? しかもなに、紳士っぽい言い方だし」
「でも、いまのところ最重要事項でしょ。君にとっても」
「……そう。なら答えるよ」
翠はどこか安堵したような、それでいて諦観を滲ませた表情になった。
「最初に春さんを助けた時、おれはボランティアで知り合った人だといってあの場を収めたよね。でも、ごめんなさい。あれ、本当はほとんど嘘なんだ」
「どういう意味? たしか小児がん治療のボランティアって言っていたけど……もしかして、君」
「やっぱりわかっちゃうか。そうなの、本当はおれもがん患者なんだ。ボランティアも元々は本当で……いや本当だったけど半月前に離籍してる。そろそろ活動にも治療にも支障が出るかなって、主治医と話してさ。幸い由紀おじさまはまだ知らなかったみたいだけどね」
そう言うと、翠は小さく肩をすくめてみせた。
意外だとは思わなかった。
初対面で会ったのは彼女と同世代の少女の葬式。
それに「他の葬式でもあなたを見たことがある」という言葉はそういう場所と縁があるという言葉の裏返し。
場の雰囲気に妙に馴染んだ振る舞いと物言い。あれは少女が幼い頃から死と直面しながら生きてきたが故に身についた処世術だろう。
「がんって、どんな」
「胚細胞腫瘍っていってね。おれの場合はちょっとレアなケースで、頭の中に悪さをしているやつがいるんだって。十三歳の頃に病気がわかって、今まで手術やら治療やら、いろいろ手を尽くしてもらったけれど、再発っていうのか、どうしても取りきれないのが奥のほうにあってさ」
翠は頭を撃つようなポーズをした後、お手上げだとばかりに両手を小さく掲げてみせた。
「それがわかったとき、姉さん、ずっと泣いてて。でもそれをおれに見せたくなかったみたいで二晩戻らなかった」
「そうか。……答えてくれて、ありがとう」
「別に。話すの、春さんが初めてじゃないし。じゃ、三つ目。今晩最後の質問です。おれのこと、他に何が知りたい?」
勿体振った態度で翠が両手を広げる。話をしたことで少し精神的に高揚しているのか、翠は饒舌だった。
もう聞きたいことも、聞くべきことも一つだけだった。
「わかった。君は、翠さんはあとどれくらい生きられる?」
春がそう質問を口にすると、翠は一瞬目を丸くしたあと、小さく震え、笑いを噛み殺し始めた。
薄暗いカフェの中で爆笑するのは気が咎めたのだろうが、少し素っ頓狂なくらいに笑い転げている。
「ねえ、春さんって本当にひどいひと! いくら秘密を打ち明ける約束をして、おれが病気のことを正直に答えたからって、幾許もないであろう乙女の余命まで聞いちゃう〜? アイドルにうんこするのって聞いてるようなものだよ?」
「……君こそ、喩えがひどいな。でも、病気の話を聞いたのなら、これを聞いておくべきだと思いました。君の寿命は長くない。僕には匂いでわかった」
「おれ、そんなにひどい匂いさせてる?」
「ごめん。そういう直接的な意味じゃない。なんていうのかな、直感的にそういうのがわかるといったほうがいいか」
「へえ。春さんは本当にミステリアス。……まあいいや、信じてあげる。おれの寿命はあと三ヶ月だってさ。余命宣告を受けたのがちょうど葬式の前の週だから、たぶんそんなに変わらないはず」
三ヶ月。それが少女に残された時間だという。
自分に課せられたのは半永久だというのに。これではあまりに不公平だ。
「はい、春さんのターンは終了。次はおれの番です」
自ら話を打ち切って、翠は次はお前が答える番だと主張する。
およそ翠が話せることの全て、春が気にしていたことのすべては聞き終えていた。
翠を侮っているわけではない。少女は頭の回転が早く、機転も効く方だ。だが、春を脅かすような質問をしてくるわけではないだろう。
もとよりそんな武器など自分が持ち合わせているわけもないことくらい、翠だってわかっていた筈だ。
それなのに、わざと自分が不利な条件で質問ゲームなどを仕掛けてくるなんて。
「……答えなくていいです」
「え?」
「翠さんは僕に君のことを知って欲しかったから、こんな自分だけが馬鹿を見るようなゲームを仕掛けてきたんですか」
「急にどうしたんですか。おれのことを知って、かわいそうだとでも思ったんですか。もしそうなら、みくびらないでください」
翠は毅然として言うが、小さな手の震えを隠せていなかった。
それをぎゅっと握りしめて誤魔化す仕草さえも。
「それが君の一つ目の質問ですか? そうですよ。かわいそうだと思った。不公平だとも思った。君の前に立つにはあまりにも僕は……翠さんは僕に興味なんて持つべきじゃなかった」
「あなたじゃなければよかった、とでもいうのですか?」
「そうです。そうなりますね。たぶん、僕はここにこうしているだけであなたを冒涜してしまう」
二つ目の質問が終わりかけている。
「どう言う意味ですか。おれはあなたが――あなただったらいいと思っていたのに、なんで、そんな――」
春の答えに翠が泣き出しそうな声で追い討ちをかけてくる。
「自分じゃなければいいなら、どうして――そんなに、やさしいのさ?」
翠のすべての詰問は、半ば恋の告白めいていた。
何も持たない翠は全力で春にぶつかってきた。そして恋に破れようとしている。
大きな瞳からはぽろぽろと涙が溢れ始め、白い頬には泣くまいとして涙をこらえようとしたのか朱がのぼっている。
嗚咽を堪えているのか、翠が口元に添えた細い手指を、春はそっと開かせて指を絡めた。
「秘密を打ち明けられたら、自分も同じように秘密を打ち明けること。最初にそう約束しましたよね。だから僕も秘密を言いますよ」
「秘密、って……?」
「さっき見た映画、あれと一緒。僕も吸血鬼なんです」
翠は大きな目を瞬かせ、泣くのをやめた。というよりは涙が止まってしまったようだった。
そうなるのが自然だろう。あまりにも馬鹿げた告白だと、春自身にも思えてならないのだから。
「……秘密を打ち明けるのであって、嘘を吐けとはいっていません」
少し怒ったように翠が返してくる。
馬鹿にしていると思われただろうか。それでも春は困ったように笑い返すしかない。
「どうしたって夜の間と雨の日にしか動けないし、いつもどうやって血を吸おうかとか、そういうことばかり考えている最低男です。嘘だと思うのなら、こんど晴れた日に会ってみますか? 僕の身体は昼間の陽の光に耐えられるようにできていないみたいです。すぐに人が燃えているって大騒ぎになりますよ。さっき匂いでわかるといったのも、そうですね、血の匂いとか……とても普通の人にはわからないような体の匂いで他人の体調とか死期が違いなとか、わかるんです。気持ちが悪いでしょう」
春にとって、こんなことを人に打ち明けたことは殆ど初めてだった。
ずっと一緒にいた、けれど失われてしまった片割れにしか話したことのない事だった。
だから、もう余裕なんてないも同然だった。
「だとしても、そんな映画みたいな絵空事」
翠はやっと目元を拭うとそう言った。
絵空事。まだ信じてくれてはいないのだろうか。
「だから、半ば半永久に生きるなんて枷を嘆く僕が、あと三ヶ月しかないという君の傍にいるなんて。君だって許せないでしょう」
「……春さんはクソ映画の見過ぎだ。余命幾許の美少女に吸血鬼だなんて、いくらなんでも要素を盛りすぎです。そんなの、ぜったいオチとか爆発で終わるバカ映画だ」
「バカとかクソとか、言い過ぎですよ」
「でも、最後に見るならそういうクソ映画がいいな」
翠の手指を握りしめていた春の手を、翠がおずおずと握り返してくる。
翠はようやく微笑みを浮かべていた。
それはひどく可憐な笑顔だった。
「春さんの言うとおり、おれは近いうちに死ぬだけの女の子です。でも……だから、それまでの間、つきあってくれませんか? おれのこと、本当はどう思ってたって構わないから」
「それは……お勧めできないな」
春は苦味の勝る笑みを受かべて受け止める。
「……本当に好きになったら悲劇だから?」
「いや。きっと僕はまた間違いを犯すから」
ほんの少しの間、二人の視線がかちあい、沈黙が訪れた。
「少し考えさせてもらっていいかな。なるべくすぐに返事をするから」
「さっきはあんなに一生懸命自分のことを話してくれたのに……意気地がないんですね」
それでも、翠は十分に立ち直ったようだった。こうして軽口を叩いて春を揶揄う真似もできるまでに回復した。
その夜は解散し、自宅の最寄駅だという場所まで翠を送り届けると、春はひとり〈proof〉までの道のりを急いだ。
映画みたいに踊るようにステップを踏んでみようと思ったが、やめておいた。
馬鹿げているし、だいいち自分はあんなふうに軽やかには踊れないだろう。
欠け始めた月だけが静かに春の背を照らしていた。
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