ツンデレ婚約者を押し倒したら女の子だったので溺愛します

蓬太郎

可愛すぎる!結婚しよう!

どうしようイライラする、死ぬほどイライラする

この目の前の麗しい婚約者殿に。


「手作り料理が食べたい」

と言われたので

わざわざ!早起きをしてお弁当を作ってみたら。

一言の感想もなくって。


「ご馳走様。」

とだけ言われ。それだけならまだしも。


「放課後は一緒にお茶しないか?」

と言われたので、目の前のこいつのための花嫁修業である習い事たちを急ピッチで切り上げ放課後を空けたにもかかわらず。


1時間半明後日の方向を向いて一言も喋らない。

あれ〜?一応デートだよねぇこれ??

え??そう思ってたの私だけなのかな?

え?これって私から誘ったっけ?


「家まで送っていく」

やっと喋ったと思ったらこの一文だけ、

はーイライラする。

1時間半ぶり本日2度目ぐらいの発言で、これ??


まあいい、もう疲れたしお言葉に甘えてさっさと家に帰って寝よう。悪夢でも見てるんだきっと。


この無愛想で朴念仁な私の婚約者殿の最近の行動は目に余る。特に今日は酷いなー、


嫌いなのかな?私の事、婚約者だし、義務的に付き合ってはいるけど会話もしたくないぐらいなのかな……

小さい頃は仲も良かったし、お互いに結構好きだなって思ってたの私だけだったのかな


「あの、メアリ、その、」

私の部屋の前まで着いたのでさっさと別れて

部屋にひとり入ろうとすると呼び止められる


なんじゃい今更、お?婚約破棄とかか?お?

最近の挙動がおかしすぎて、イライラしてますけど、結構あなたのこと好きなんですよ私。


「なんですか?エル様?最近おかしくないですか?言いたいことがあるんですよね、それ後でもいいですか?」


「え、?、あ?メアリ?」


もうイライラするし、いっそ振られるぐらいなら

最後ぐらい好きにしたっていいだろと思って部屋の中に引きずり込む。



銀髪麗しい婚約者殿は男性とは思えないぐらい非力だし華奢なのでグイッと引っ張るだけで、簡単に部屋に二人きりになった。



無愛想で朴念仁とはいえ、男性なんだし年頃の婚約者と2人きり、何も無いはずなく、、



ともならず、ただオロオロしているだけ

ほんとに呆れてしまうけど、これが彼の良いところと思えばいい所だよな、と思う。

実際、最近までは


口数が少なくなったのも

「慎重なタイプで頼れる!」

と思ったし


無愛想が輪をかけて酷くなったのも

「クールで素敵!これがツンデレってやつ?!」

とキャイキャイした。


今思えばあばたもえくぼ、惚れた弱みってやつだったなー


急に私の態度が変わったから、いつもの朴念仁が動揺してる、結構いい気味だなと思う。


もうやけくそなので華奢な朴念仁をベットに押し倒す。

見たことない顔が私の腕の下にいる。


「え、あ?、め、めあり」


いつも氷点下で切れ長な青い目がまん丸になって

白くて毛穴なんかありませーんって白い肌が

真っ赤に染まっている。


正直めちゃくちゃ嗜虐心が満たされている自分にびっくりした。


勢いに任せて、首に顔を近づけてベットに流れた三つ編みを嗅いでみる。


「め、めあり、」


私の名前しか呼べなくなった婚約者殿を抱きしめる。


「なんか、エル様本当に最近おかしいですよね、私の事嫌いになりましたか、婚約破棄ですか?」


「え?!メアリ?」


「あんなに私たち仲良かったのに、2人でちゃんとおしゃべりして顔を見合せて笑ったの数年ぶりだって気づいてますか」


「メアリ、、、」


「もういいです。こんな時も何も言ってはくれないんですね」


も〜いい、私はもうやけくそなんだ

捨てられるぐらいならせっかく押し倒してるし、思い出のひとつぐらい貰ったってバチは当たらないよね、一旦脱がそ、よし


「え、めあり、や、」


何ならか細い声でもそもそ言って抵抗してくるが、婚約者殿は全くの非力なので、部屋に引きずり込んだ時同様全くこちらにダメージが入ってこない。


「え、エル様、?これって」


一旦脱がしてみたら、衝撃の映像が目の前に広がった。脳みそがタコ殴りにされてるやばい。


なんと我が麗しの婚約者殿は婚約者様だったのだ。というか、婚約者ちゃん?さん?


有り体に言えば女性だった。


思い返してみれば、身長こそ私より高いけど、手首とか私より細いし、やたら肌は柔らかいし、記憶飛びそうなほどいい匂いするし。


こんな殿方いるんだーと恋パワー(笑)でどうにかなってたけど、普通に女の子だったと思えば合点が行く。え??逆になんで私気づいてなかったん??


待てよ、この絵面普通に私加害者じゃない??


いつもの学園服のタキシード的なものをはだけて

真っ白な(ちょっと慎ましいけど)明らかに女性な胸元をあらわに、涙目になっている婚約者様に


動揺を抑えきれず、でも何故か興奮が止まらず鼻息が荒い私。


えー、どないせいっちゅうねんこれ


「あー、あの、エル様、?え、エル様であってます?エル様、?エリー様??」


一旦エリー様って呼んどこ


「め、めあり、、」

ただでさえ麗しい婚約者様が涙目になって髪も服もはだけて、色気がとんでもないことになってる


「もしかしてですけど、ずっと態度がおかしくて、何か言いたそうだったのってこれが理由ですか?」


コクリと腕の下の華奢な女の子が頷く。


「最近やたらと口数が少なかったのは?」


「メアリが好きだから喋るの緊張する」


「目が全く合わないのは?」


「メアリが可愛すぎるから直視できない」


「なるほど、可愛いな、なんじゃこりゃ」


先程までイライラしてたはずなのにムラムラする

なんか、なんで女の子なの隠してたのかとか、もうちょっとなんか言えよとか色々あるけど


一旦押し倒したし、目の前の生き物がなんかよくわからないけど可愛すぎるから

めちゃくちゃにしよう

そうしよう、諸々のことはその後でいい


「エリー様、私たち絶対結婚しましょうね♡」


「あっ、メアリ、」


はちゃめちゃに抱いた








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ツンデレ婚約者を押し倒したら女の子だったので溺愛します 蓬太郎 @apyoui

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