第二章〜勇者リベンジ編〜 第三話 チンピラと小さな村

ここパルシント王国はエレゲータ国王が収めている国だ。


その国王には3人の側近がいる。


力・魔術・守り の三つに特化した人たちでものすごく強いらしい。


それは、国王直々に審査したほどで。


この国の王になるには自分に歯向かうものは全員殺せばいい。


だが、ものすごく強い相手に勝てるようなスキルは持っていない。


邪流メラ・ディスタントは黒い炎の大きな球を飛ばす(1メートルくらいの)


強そうだが避けられやすい。今できて一番強いのがブラッディ・ビルドで血の剣をつくって、そこに黒い炎を纏わせるぐらいだが、近距離戦はリスクが大きい。


どこかでスキル、、、それも攻撃系の技を覚えたいな、、、こういう時は一旦邪王に聞いてみよう。

なんか知ってそうじゃん?


でもまぁこんな道の真ん中で邪王のカケラに話しかけるわけにもいかないので少し歩くことにした。


王国には城があり、その城下町には武器屋、防具屋、飯屋、宿屋など、色々な店がある。


そんな城下町の建物の中でも一際大きいのがギルドだ。ギルドとは勇者パーティを組むための申請や任務を承ったりする場所だ。報酬もここで渡される。


そんなギルドには最高責任者であるギルドマスターというものがいる。この町は意外と大きいので管理は大変だろう。


さらに、王に危機が迫ると緊急ギルド要請が勇者パーティに伝達される。王を殺そうとすれば勇者たちが駆けつけてくる。


さらにこのギルドでは勇者や魔法使いなどの役職を決めることができる。


別にその役職になっていなくても技は使えるが大体のものが役職を手に入れて勇者パーティを結成し、色々な任務をこなしてゴールドを稼いでいる。


そんなギルドの路地裏で次元式収納から邪王モステットの魂のカケラを取り出す。


それは綺麗な紅い宝玉で中には闇の渦が見える。まるで吸い込まれてしまう。そんな感覚になる。


宝玉に手を当てて聞く。


「なあ、吸収した魂から相手が持っていたスキルを抽出できないのか?」


すると、宝玉が光って、


「あぁ、できるぞ。ソウルホルダーから相手の魂を取り出し、魂に触れてこういうんだ『魂を導け』と。そうしたらどのスキルを抽出するか選べる。」


「なるほど!じゃあ片っ端から…」


「片っ端からスキルを取られると俺の取り分が減る。」


「わかった。それじゃあ1人の魂につき1つだけスキルをとっていいってことで!」


「まぁそれならいいが…」


「ありがとう!」


この邪王、結構押しに弱いのか?


宝玉をしまい、ソウルホルダーからコレスターの魂を取り出す。ふよふよと中に浮いているオレンジ色の球。もとい、コレスターの魂に右手を伸ばす。「魂を導け」


と言った。そして選択したのは「威圧」だ。


よりレベルの低い相手に有効で相手を怯ませることができる。


さて、一段落ついたし昼飯でも食べに行くか。路地裏から出ようとしたらドン!と何かにぶつかった。


「おいおいお前どこ見て歩いてんだよ!」


「すみません。」


どうやら人にぶつかったようだ。


「あ〜あ!いった〜い!お前とぶつかったせいで怪我したんだけどぉ〜、、、おい、お前、金出せ。金。」


怪我?ぶつかっただけで?それに表情がニヤニヤしてるし、、、めんどくさい輩に絡まれたな。


「すみません。生憎、持ち合わせがありませんので、、、」


嘘は言ってない。持ち合わせていない。ただ別次元に収納しているだけだ。


相手が剣を取り出して


「そうかそうか、じゃあしょうがないよなぁ。」


ん?なんだ?素直なタイプなのか?


「お前はなぁ、、、俺の気分を損ねたんだよ、、、払えねぇんなら、死んで詫びてもらろうか?」


、、、頭大丈夫か?コイツ。


「死ね!ファイヤーサウンド!」


ぼぼぼぼぼぼ と炎の球が10個ほど飛んでくる。簡単に見切れるな。


「まだまだ、フレアバースト!」


相手の前に魔法陣が展開され、その中から炎の大きな球がくる3つだ。しかも追尾機能付きだ。


「ブラッディ・ビルド………邪流メラ・ディスタント」


黒い炎の剣の完成だ。剣で炎の球を斬ったら、その球が黒い炎に吸収された。


黒い炎は火を吸収するのか!


相手が「スキル、多角的視点」と言った。


多角的視点?まぁいい。黒い炎を纏った剣で相手に斬りかかる。


が、相手はスレスレで避ける。


だったら後ろから攻撃だ。次元式収納から亡骸を出して相手の方に走らせる。


自分が気を引いているうちに後ろに回り込ませた。


ソウルコントロールで相手の後ろから攻撃。


だが、相手は避けた。距離感を完璧に把握しているかのように。なにか、コイツの意表を突くことはできないのか、、、


そしてライトは戦いながら思いついた。ブラッディ・ビルドは血を操る。つまりこの剣の形を自由に変えられる。


血の剣をふる相手は避けるだが次の瞬間には腹を刺していた。


剣を避けられた瞬間に頭身の横から刀身を伸ばし刺した。相手に剣が刺さったまま剣を色々な方向に動かしHPを0にした。


「魂吸収」魂が胸の中に入る前に触れて「魂を導け」言い、スキル多角的視点を手に入れた。


勇者にでもなろうかな?剣士とかいいかな?剣技とか身につけたいし、それか、魔剣士。魔術と剣技を両方とも使う役職。


強いため狭き門だ。


まぁ、なんにせよ勇者になるためにはテストをクリアしなければならない。その試験は試験管の分身を倒すというもの。


なんでも、ものすごく強くて『試験って知ってる?』と問いかけたくなるぐらいだそうだ。


試験のため、アカデミーに行って勉強してもいいし、別にそのままテストを受けてもいい。


俺はそのままテストを受ける。まぁその前に……


ギルドから外れた小さな村人口は100人くらいだ。さてと、、、邪王から借りた一度限りの技を使ってみようかな?


「村の皆さーん集まってくださーい。」


さすが小さな村だ。すぐに全員集まった。「今から皆さんに経験値をプレゼントしまーす。なので全員魔法陣の中に入って下さいね〜。」


もちろん嘘だ。広範囲に魔法陣を展開し、全員魔法陣の中に入って、「暗黒魔法ジャハル・ビースター」と、叫ぶ。


次に瞬間、村人一人一人に青白い炎が纏い跡形もなく消え失せた。そこに残っているのは宙に浮いているオレンジ色の球だけだ


「魂吸収」魂がどんどんと吸収されていく。全て吸収した頃にはソウルホルダーは123になっていた。


ボーン


また頭の中から鐘の音が響いた。




[ライト・モスタンドは称号マーダラーを獲得しました。


さらに、100人以上の魂を吸収したことにより深淵魔法が解禁されました。


ライトは深淵魔法・戊を獲得しました。


経験値が一定を超えましたのでレベルがアップしました。67から70。


70レベルを超えたことにより天からスキルが進呈されました。スピア・アロウを獲得しました。]




深淵魔法?かっこいい響きだな、、、どういう感じなんだろうか。ステータスから確認しよう。


えっと、深淵魔法・戊は広範囲技で半径10メートルの中にいるものの次の動きが読めるようになる。


、、、強すぎな気がする。行動を読むことができるってさ、もう最強じゃん?


スピア・アロウは5つ矢を飛ばす。属性付与もできるか。まぁまぁ強いな。


さて、このぐらいのスキルがあれば試験管の分身ぐらいぶっ飛ばせるだろう。


ライトは試験を受けるべく、ギルドの受付へと歩みを進めた。

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