第4話 新学年初日の通学路④
「ふぅ、ふぅ」
「…………」
クラス表の貼られる掲示板前に辿りつくと、
放っておくとこっちにまで緊張が伝染するので、助け船をだすことにする。「落ち着いて
「え、ほんとうに? 私、紅茶が大好きなの!」「うん良かった。丁度あるんだ。
ぼくのウィットな冗談(ジョーク)を聞いた黒紫憧さんの反応は……!
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
死にたい。
帰りたい。
けれど新学年初日に、自分のクラスも把握せずに帰る訳にもいかないので、
そうして一仕事終えて、ぼくは自分自身のクラスも探す。とくに希望はなかったんだけど、なんだかソワソワする。いや全然期待してないけど。まったくもって考えてないけど。その、もしかしたら――。
ぼくの名前は……一組にはなかった。
まあそんなものだよな。バランスが取れてる。今日はなんでか
気にしていない風を装って、
「とりあえずぼくは一組じゃないみたいだね。それじゃ
彼女は……。
「――――っ!」
下唇を噛んでいた。じっと掲示板を眺めて、見つめればまるで現実が改変するかのように、紫の瞳を深くしている。
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