20240301金 二層と富士日記
浮かれすぎている。
だからシャンプーボトルにコンディショナーを入れてしまうのだ。
ボトルの底に少し残った蜂蜜のようなシャンプーの上に、真っ白なコンディショナーが乗って二層になった。
まるで、レモンゼリーの上にババロアが乗ったみたいな。
元々の商品のボトルから、残量が確認できるように透明ボトルに変えていたのだが、まさか二層のコントラストを見るなんて考えもしなかった。
しかも、「あれ?なんか色が違う?」と違和感を持ちながらも手を止めることはせず、最後まで詰め替え切ってしまったのだ。
唖然、愕然、時が止まった。
どうにかしてコンディショナーとして使えないだろうかと考えたが、どう考えても永遠に泡が続く事態になることが想像できてしまう。
それに、コンディショナーのボトルにはちゃんとコンディショナーが入ってるわけだから、2本のコンディショナーボトルに対してシャンプーボトルが0本はあり得ない。
うう、新品だったコンディショナーをすべて破棄しなければならないなんて。
私はどうかしてる。
それもそのはず。
だって、40人枠に当選したんだもの。
どうかするに決まってる。
「運使い果たしたね」
娘の暗示が重くのしかかる。
次は何が起こるのだろうか。怖すぎる。
*
「富士日記にハマってる」とだいぶ年下の知人が言ったので思わず聞き返してしまった。
「富士日記ってあの武田百合子さんの富士日記?」
「えっ!富士日記ってほかにもあるんですか?」
「たぶんないと思うけど」
いやいや、富士日記が他にもあるとかないとかそういうことではなくて、20代半ばというその年齢で富士日記にハマるって渋いなと思ったのだよね、単純に。
それでもって、「そういう結婚生活に憧れてる」って言うのだから尚更、感心してしまった。
賢いな。
きっと、ちゃんとした結婚をして、ちゃんと生きていくんだろうなと、潔く負けを認めてしまった自分。
間違っても「40人枠」の話は出来ないな。
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