20240224土 日記とハンバーグ

 雨の休日2日目。

 いつもはサラッと箇条書きのような日記なのに、昨日のこぎん刺しの修行のおかげで言葉が浮かぶ。

 こういう時間はとても楽しい。

 そのついでに手帳をぺらぺらと遡って読み返してみると、下手な文字で書かれた少なめな言葉からその時の情景がはっきり浮び感情が蘇った。

 楽しかった日を思えば頬が持ち上がるし、逆に悲しかった日の思いはそのまま悲しくて涙が出そうになる。怒りの日は途端にうなだれてしまい、せっかく平穏を取り戻した心が荒み始める。

 そして気づく。

 笑いがない、と。

 大笑いした日はいつが最後だろう。

 良かった。嬉しい。安心した。自分の気持ちを無難に肯定して一日を終わらせることで良しとする日ばかり。

 下手したら何も見ていなかったようにも感じる。

 そんな日を書き留めることに何か意味があるのだろうかと呆れるが。

 忘れたくても忘れられない記憶は刻まれて残るけども、なんとなく気分が良かった事は忘れてしまってることの方が多い。だから、ちょろっと書いておく。

 その中に、もし大笑いした日があったら、赤ペンや蛍光ペンで目立つように印をつけて、ページにはインデックスもつけておこう。


 *


 胃腸が順調に回復しているらしく、ハンバーグが無性に食べたい。

 ごろっとした肉肉しい塊を、がぶっと食べたくなった。

 時間もあるし、材料も合いびき肉と玉ねぎさえあれば出来るので、夕飯の為に早速作り始めた。

 しかし、あまりに久しぶり過ぎてパン粉の存在を忘れていた。買い置きはない。仕方なく食パンで代用する。

 食パンを粗みじんに切るのは面倒なので、手でちぎってボウルに入れ、牛乳に浸しておいた。

 玉ねぎがあめ色になるころ、浸された食パンはいい具合にふやけていて、それはパン粉を使った時にもよく見る状態だった。

 笑える。

 パン粉って食パンじゃん!

 っていうか、食パン使ったら、生パン粉じゃん。

 そもそもなんのために『粉』にしたの? 

 ホントに、思い込みって危険だ。

 天気が良かったらわざわざ買いに行くところだった。

『念のためにパン粉は2袋買って、あと明日の朝食の為に食パンも買っておかないと。パンパンパンパンパン!』

 どんだけ小麦好きなんだ。みたいな。


 出来立て熱々のハンバーグはとても美味しかった。

 そして、思う。

 馬鹿馬鹿しい感想を手帳にも書いて、ネットのどこかにも書いてみようかなと。

 Xとか、インスタとか、ブログとか?


 あ、そうだ、カクヨム。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る