20240220火 リーディンググラスとジャムクラ

 とうとう買ってしまった。

 リーディンググラスを。

 細かい字が見づらくて。

 コンタクトが乱視仕様だからそのせいかななんて思ってたけど、眼科で検査したら違った。

「度数の低いこちらを試してみてください」と眼科医に言われるがまま試したら、なんということでしょう。よく見える。

 それが老眼鏡だったのだ。

 で、コンタクトと老眼鏡を併用することになったのだけど、「100均のものでも十分使えますよ」と眼科医が教えてくれたので、早速行って見たら、黒縁で祖父がかけていたようなものとか、真っ赤とか、パープルとか。ザ・老眼鏡っていうものしかなくて、そこからはどうしても選べなかった。

 そうか、もうそういう年齢になったのか、と軽くショックも受けてしまった。

 使わないでどうにか乗り切れると嘘をつきたいくらいなのだが。

 買い薬等の裏の説明欄にある効能・効果、用法・容量が非常に読み辛いので、陳列棚の前でじーっと箱とにらめっこしてたり。

 パソコンのテンキーのピリオドのところにゴミが付いていたので、手でさっと拭ったけども取れず、ウェットティッシュでこすっても取れず。

 この頑固な汚れは何?と思って、スマホで写メをとって、その写真を拡大して見たらピリオドだけでゴミの一つもなくて己の目を疑った。ただの点が二重に見えて、さらにぼやけて見え、それを取ろうとするなんて……。

 つまり、生活に支障が出まくりなので、どう転がっても買わなければならなかった。

 で、いろいろ調べた結果、JINSのリーディンググラスを買うことにしたのだ。

 よく見えて、頭にちょこんと乗せてる人の気持ちがわかってしまったし、首から下げるストラップが欲しくなった。

 ところで、JINSは老眼鏡ではなくリーディンググラスという商品名のなで、その通りに「このリーディンググラスをください」と言ったのだけど、なんか気取ってる感があってすごく恥ずかしかった。かと言って老眼鏡って言うのも恥ずかしいのだけど、だからって何でもかんでも英語にする必要はないよなと、別の意味で陳列棚の前でじーっと葛藤してた。


 *


 JINSの店舗がある商業施設には、ほぼほぼ無印良品もある。

 無印良品を見つけると、必ずお菓子を買ってしまう。

 バナナバウムと宇治抹茶バウム。お腹にたまる満足感。

 くまの形のてんさい糖クッキー。少し硬めなところがいい。

 1番好きなのは、いちごジャムサンドクラッカー。ほんのり甘い感じが好きなんだけど、歯にくっつくジャムと噛めば噛むほど口の中でモソモソして、水分を全部持っていってしまうクラッカーがどうしようもなく扱いにくいのだけど。そこがまた可愛らしい。

 もしかしたら、家でも作れるかもしれないなと思い、お気に入りのいちごジャムで本当に作ってみたことがある。

 確かに美味しかった。さすがお気に入りのジャムだなと思ったし、クラッカーもプレミアムだから美味しいに決まってるし。

 でも、それだけの材料を揃えたのに、1番大事な素朴さにかけていた。

 そりゃ一流パティシエが作る栗の渋皮まで入った薄茶色のモンブランは美味しいけども、スーパーで買える黄色いモンブランの方がモンブランらしくて好き、みたいな。

 だからやっぱり、歯にくっついてモソモソしても、無印良品のいちごジャムサンドクラッカーが好きなのだ。

 ただね、まあまあなお値段なので、素朴なプチ贅沢という妙な位置づけになるが。





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