20240221水 午後の平和とフルーツサンド

 寒い。

 気温は13度なので、冬にしたら暖かい方なのに、昨日が暖かいを超えて23度と暑かったから、ものすごく寒く感じる。

 

 午後、買い物に行った。

 職場で買い物に行くと言えば、それは『3時のおやつ』を買いに行くということで皆の暗黙の了解になっている。

 そして、大概、郵便物を投函するという業務が追加される。

「買い物に行きますけど、何か他にありますか~」

「あ、じゃあついでに、これ出してきてもらっていい?」

「はい、いいですよ~」

「助かった、帰宅ついでに出すと明日扱いになるから、一日ずれるんだよね~」

 とても役立つ事をしている。

 平和だ。

 この会話を何度繰り返してきただろう。

 業務の効率を考えれば、改善する余地はいくらでもある。

 例えば、その日の3時のおやつ買い出し担当の人は、商店街のハッピーセール的な法被を着ていて、郵便物がある人は黙ってその人に預けられるみたいな。

 ただ、それでも人の手を煩わすことになるので、どこかにオートメーション化を導入する必要があるなと真剣に考えながら、職場の自転車に乗り郵便局とスーパーに向かった。

 午後の陽だまりの中、平和しかなかった。


 *


 息子が会社帰りにフルーツサンドを買ってきてくれた。

 なんでも行列ができるフルーツサンド専門店のものらしい。

 いちごとキウイがMIXで入ったものと、パイナップルだけのもの。それと、TVとかでよく見る、ミカンの断面がバシッと決まってるやつ。

 コンビニで買ったことはあるが、こんなに本格的なフルーツサンドは初めてだったし、断面が嘘かと思うくらいすごく綺麗だったので、思わずそのままの感想が口から出てしまった。

「こんなの初めて」

 ちょっと待て、自分。

 言葉を選べ、自分。

 息子の前でそれはないだろう、と胸中で盛大に突っ込んだ。

 非常に恥ずかしかったんだが。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る