20240215 回復の兆しと壁と感情のバカヤロー!

 腹式呼吸で寝ているとお腹が膨らみ、そのお腹の動きが胃の気持ち悪さを増幅させるので、軽く浅く胸式呼吸をしてみるものの、慣れない呼吸法はただただ酸欠状態になるだけだった。

 で、その息苦しさに耐えられす盛大に深呼吸をしてしまい、胃の底が悲鳴を上げる。


 うつぶせ寝は問題外。

 仰向け寝はお腹の臓器が下にどんどん沈んでいくようで、5分と耐えられない。

 残るは横向きなのだけど、右向きにするか左向きにするかが悩ましいところ。結局、180度の可動域で何度も寝返りを打ち、安静に寝るなんて無理だった。

 それでも、熱も下がり下痢も嘔吐も治まったので回復の兆しは見えてきている。

 だから大丈夫だろうと、もともと今日は在宅勤務の予定だったので通勤するわけではないから大丈夫だろうと思い、試しにパソコンの電源を入れてみた。

 しかし、ディスプレイが明るくなった途端「あ、無理」となり、今日も欠勤を申し出た。


 *


 夜、思い切ってシャワーを浴び、ついでに体重を計ったら2キロくらい減っていた。

 どうりで、もともと貧相だった胸がより壁っぽくなっていたわけだ。

 2キロと言えば1キロの上白糖が2つということになる。そんなに詰まっていたのか、あの貧相な壁、いや、胸に。


 *


 何か事が起こるたび、やっぱりあの時離婚しておけばよかったと後悔にかられる。

 夫が頭を下げて離婚を拒否してきたって強行突破はいくらでも出来たはずなのに、離婚に踏み切れなかった。

 なんでかな。許そうなんて1ミリも思っていないし、夫が変わるという期待もしていない。それなのに、苦しくなるとわかっていたのに踏み切れなかった自分がよくわからない。

 でも、今回自分が具合悪くなって、なんとなく思ったことがある。

 娘と息子は、どんな状況でも、どれほど不甲斐ない父であろうと、きっと助けるんだろうなと。

 夫婦はダメなら離婚できるけど、子供はよっぽどのことがない限り親子関係が続く。

 そのよっぽどのことって、よっぽどで。そのよっぽどに比べたら私が離婚したいって言う気持ちは、我儘に近いんじゃないかって思えた。

 もちろん我儘ってつもりはないんだけども、でもなんとか乗り越えて来てるから、よっぽどではないのかもって思ったりして。


 だからと言って、洗い物が放置されたのを見た時とか、バナナが買えなかった時の夫の言い草や表情なんかに遭遇した時は感情が暴走してしまい、離婚しておけばよかった、今すぐにでもこの家を飛び出したいってまた繰り返し考えてしまう。


 もうさ、感情のバカヤロー!って言うくらい自分に振り回されてる。



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