20240209 バレンタインデーごっこ
バレンタインデーはまだ来週だというのに、平日夕方の特設チョコ売り場には行列が出来ていた。
仕事帰りに買いに行った私も、その行列に並んでいる人達も、考えていることはたぶん一緒。
「混まないうちに早めに買っておこう」
別に今更告白するわけでもないし、どうせカタチだけだし、来週はもっと混雑するだろうし。
そんな同志がいっぱいいて、なんだか心強い。
可愛い紙袋を幾つもぶら下げた人を見ると、購買意欲に駆られ、夫と息子と娘の旦那さんと職場用のとで、片手で足りる個数なのに、
「えーっと、何個買えばいいんだけ?」
「これで足りるかな」
「念のために1つ余分に買っておこうかな」
と、迷う必要もないのに敢えて迷って、バレンタインデーをワクワク楽しんでますよオーラを出してみる。
実際、最近のチョコは目で楽しむにはもってこいで、形、素材、パッケージと、こじんまりとした小さな世界に目新しいアイディアが詰まっていて、その全てを吸収したくなってしまう。
特に、凝っている形のチョコはショーケースの前で足を止めて見てしまい、買いたい欲が暴走する。
けれど、ちらっと高価格の値札が目に入ると「はい、消えた!」と、いつぞやのクイズ番組の司会者のかけ声が頭に響いて、店員さんに話しかけられる寸前で人並みに紛れて隣のチョコ屋さんに行く。そんなバレンタインごっこも楽しかったりして。
そして気付いた。
500円のメリーチョコレートが圧倒的人気だということを。
メリーチョコレートブースをグルっと囲む人垣が、まさかのレジ待ちの行列だった。
ハズレのないメリー。
なんだかんだ500円。
ですよね。
散々ごっこ遊びを楽しんだ後はいつもの自分に戻り、甘いものが好きではない夫の分を省く。
甘いものが好きではないのに何も貰えないと拗ねるので、なるべく甘くないチョコを探してみたが、所詮チョコはチョコ。
甘さ控えめとなっていても、控えているだけで甘くないとは書いていない。
探すのも億劫だし、早く帰りたくなったので、明日、もつ煮を作ってあげることにした。
冷凍してあるモツがあるし、明日は土曜日だから午前中から仕込める。なにより、みんなで食べられる。
息子と娘の旦那さんの分は見栄えの良いものを、職場には個包装でボロボロこぼれないものを選んだ。ついでに娘のチョコも買った。
これで今年のバレンタインデーも無事に終わる。
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