シェアして食べるプチシューを一人で食べる。

20240127 私は私とそのマグカップ

　朝早くから、息子がガンダムの映画を観に行った。

　地元の友達、男3人で。

　どうやら数十年ぶりに上映される特別なものらしい。

　数十年ぶり。

　その気持ちよくわかるよ。

　で、久しぶりに友達と会うと言っていたので、てっきり夕食も食べてくるんだろうなと思っていたら、まだまだ明るい15時くらいに帰ってきた。

　まじめか。

　なんでも、明日は別の映画館で動く座席を予約してあって、無駄遣いは出来ないから夕食は家で食べるんだそう。

　それはそれは、倹約家でなにより。

　そういえば、息子が社会人になった時、

「今日の帰りは20時頃」

「今日は会社の同期とご飯食べることになったから夕食はいらない」

　といった具合に、律儀にLINEで私に知らせてくれていたのだけど。

　そんなに細かく気にしなくていいんだよっと話したことがある。

　社会人になれば、帰り際に「ご飯行く？」となることは珍しくない。それをいちいち母親に知らせてたら、結構カッコ悪いんじゃないかなと思った。

　それに、息子の予定を気にして夕食を作るなんて、私の負担が増えるだけだしね。

　さすがに、午前様になりそうな時は連絡は欲しい。心配になるので。　

　一緒に住んでるけど、息子は息子、私は私で自立して暮らしたい。

　出来ることなら「夫は夫」が一番望ましいのだけど、そこがなんとももどかしい。

　夫「そのマグカップ、気に入ってるの？」

　私「うん、気に入ってるの」

　たまに夫が私に興味を持つと、こういう会話になる。

　前触れなく唐突に質問が飛んできて、私が返事をした後、夫は何も言わない。

　夫の声のトーン、言い方、表情を深堀すると、「なんでそんな変なカップ使ってるの？」と言ってるように聞こえる。

　長年連れ添っているので、おそらくこの解釈で99％間違いはないのだが、あくまでもこれは私の思い込みと処理し、一旦、オウム返しで返事をしておいて夫の出方を見る、という戦法を取った。

　私の返事を聞いているのか聞いていないのか分からないくらい、何も返さず、すーっとTVの方に視線を向けたので、私の解釈と戦法は正解だったのではないかと確信する。

『そのマグカップ』は、年末にカルディというコーヒー豆や調味料など売っている、見ているだけで楽しくなるようなお店で、そこで一目ぼれして衝動買いしたカップだ。

　それまでは娘が高校生の頃使っていた100均のマグカップ、いわゆる誰も使わない余っていたものを使っていて、その前は、コレールの割れないマグカップを使っていた。コレールって、本当に割れなくて15年くらい使っていたように思う。けれど、ある日、ふと、一生使い続けるんだろうか？と思ったら、急に気持ち悪くなって使うのをやめた。で、余っていたカップを使うことにしたのだ。

　そんな私が衝動買いしたマグカップ。

　持ち手がついていないカフェオレボールタイプで、見ようによってはサラダボールにも見えるし、小鉢にも見えなくもない。

　外側が青と紺の中間のような色、中は白地に、茶色のトナカイと赤いナンテンでクリスマスがイメージされてる。

　形も柄も一瞬で気に入り、一個だけ、自分の分だけ購入した。

　買ってすぐに使い始めた時も、夫から同じように質問された。

　夫が知っているマグカップとは形が違うので、理解が出来ないのだろう。

　でも、こういう時こそ無関心でいろよ、って思う。