全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ
夢美瑠瑠
☆
私は、最近ずっと、悪夢に悩まされていた。
意味が分からない、けれども、すごく恐ろしい夢なのです。
どこか、途方もなくだだっ広い、平原のような場所を、轟音を立てて、凄まじい勢いで、野牛の群れが突進している。
ワイルドバッファロー?
力強い、さながら”暴力の象徴”のようなケダモノ。
…眼を血走らせて、血煙を立てつつ、ひたすら弾丸のごとくに、無意味に無目的に、ひたすらすべてを薙ぎ倒しながら、夥しい数のバッファローが、盲目的に”大行進”、”大進撃”を繰り広げている。
それは、さながら地獄絵図のように、不吉で、忌まわしく、救いようがなく戦慄的な光景でした。
なんの意味だか分からないし、なぜ、見たくないそんなものが、頻繁に夢枕に現れるか、それも私には見当がつかない。
私は、心理学者で、夢については造詣が深い。寧ろエキスパートなのだ。
いろいろと自分の最近の精神的な背景、状況とかを自由連想をしたりして、考えあわせて、その悪夢の来歴について考えてみた。
が、結局そのよって来る所以というか、隠された意味も、理由も、よくわからなかった。解析も同定も不能だった。
野牛がなんの象徴で、どういう機序で現前しているかとか、或いは例えばユング的な、人生におけるある布置?そういう予言的な重要なものなのかとか、そういうかなりマニアックな考察もしてみたりした。
が、やはり、夢の正体は、杳として知れなかった。あまりにも唐突で、平凡な日常と乖離していて、解釈の糸口すらつかめない。
そうしていわゆる「驚愕夢」のごとくに、心臓が止まりそうなくらいな恐怖の感情を伴っている。いつも目覚めた後には、びっしりと全身に冷や汗を搔いている。
こんな怖い夢を見たのは、見続けたのは、生涯において”前代未聞”だった。
その夢が13日連続して現れた時に、13日目の今朝、いつもと違う、あるエピソードが挟まった。
全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ 夢美瑠瑠 @joeyasushi
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