全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ

夢美瑠瑠



 私は、最近ずっと、悪夢に悩まされていた。


 意味が分からない、けれども、すごく恐ろしい夢なのです。


 どこか、途方もなくだだっ広い、平原のような場所を、轟音を立てて、凄まじい勢いで、野牛の群れが突進している。


 ワイルドバッファロー?

 力強い、さながら”暴力の象徴”のようなケダモノ。


 …眼を血走らせて、血煙を立てつつ、ひたすら弾丸のごとくに、無意味に無目的に、ひたすらすべてを薙ぎ倒しながら、夥しい数のバッファローが、盲目的に”大行進”、”大進撃”を繰り広げている。

 それは、さながら地獄絵図のように、不吉で、忌まわしく、救いようがなく戦慄的な光景でした。


 なんの意味だか分からないし、なぜ、見たくないそんなものが、頻繁に夢枕に現れるか、それも私には見当がつかない。


 私は、心理学者で、夢については造詣が深い。寧ろエキスパートなのだ。

 いろいろと自分の最近の精神的な背景、状況とかを自由連想をしたりして、考えあわせて、その悪夢の来歴について考えてみた。


 が、結局そのよって来る所以というか、隠された意味も、理由も、よくわからなかった。解析も同定も不能だった。


 野牛がなんの象徴で、どういう機序で現前しているかとか、或いは例えばユング的な、人生におけるある布置?そういう予言的な重要なものなのかとか、そういうかなりマニアックな考察もしてみたりした。


 が、やはり、夢の正体は、杳として知れなかった。あまりにも唐突で、平凡な日常と乖離していて、解釈の糸口すらつかめない。

 そうしていわゆる「驚愕夢」のごとくに、心臓が止まりそうなくらいな恐怖の感情を伴っている。いつも目覚めた後には、びっしりと全身に冷や汗を搔いている。

 こんな怖い夢を見たのは、見続けたのは、生涯において”前代未聞”だった。


 その夢が13日連続して現れた時に、13日目の今朝、いつもと違う、あるエピソードが挟まった。




 


 

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全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ 夢美瑠瑠 @joeyasushi

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