そうだよ。僕たちはペンギンを愛してやまない。だってかわいいんだもん。
かわいい? それは随分と上から目線ではないかね。
ペンギンという現象を思考実験する際に気をつけなければならないことは、こちらの主観を廃棄処分してまっさらなレポート用紙にペンギンのつるんとしたボディラインを再現することだ。
よく見たまえ。そこに在るのは本当にペンギンか? ペンギンの何を知っている?
それともう一つ。これはSF小説である。油断していると、目の前に広がる光景がガラリと音を立ててチェンジする歴史的瞬間を見逃してしまうよ。